大朝日岳

2010年6月26-27日 大朝日岳、同行者S脇君

今週ははるばる神奈川から来たS脇君と一緒に朝日連峰の大朝日岳に登って来た
朝日連峰と言えば花の時期に縦走するのが夢だが、交通の不便さもあってなかなか実現出来ない
出来るだけ主稜線上を歩きたいと言うS脇君の意見もあって、日暮沢から竜門山へと登り、主稜線に出てから西朝日岳、中岳を経て大朝日岳へ、帰りは小朝日岳、小寺山、ハナヌキ峰分岐から日暮沢に戻る周回コースを歩こうということになった

二日目は残念ながら雨に祟られたが、初日は月山や鳥海山を始め、蔵王連峰や飯豊連峰、吾妻連峰、磐梯山までも見通せるほど天気が良く、春の花々が咲き誇る主稜線をゆっくり歩くことが出来た
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大朝日岳

今回のルートと時間、
26日:日暮沢(7:00)→清太岩山(10:00)→ユーフン山→竜門山(12:15)→西朝日岳(14:20)→中岳→大朝日小屋(16:15)←→大朝日岳
27日:大朝日小屋(6:20)→小朝日岳(トラバース)→小寺山(8:04)→ハナヌキ峰分岐→林道終点→日暮沢(11:05)

この時期の天気は目まぐるしく変化する、コースを決めてから毎日の様に変わる天気予報にヤキモキさせられた
出発前日にS脇君が仙台に来て、一緒に明日からの山行の話をする
どうも、初日の方が天気は良さそうだから予定通り竜門コースで尾根歩きを楽しもうと言う事になった

<一日目>
朝4時半に起きて5時前に出発、行動食のお握りを買い込んで一路月山方面に向かった
今日の山形側の天気予報は、15時まで「晴れのち曇り」でまずまずである
しかし、新潟側の予報は終日「曇り一時雨」となっていて、県境となっている朝日連峰の天気ははっきりしない
ただ、風は弱く雨は降っても大した事は無さそうだし、この時期は景色が見えなくても沢山の花が楽しめるはずだ

月山サービスエリアで目の前の月山と湯殿山を見た後、ICを降りて月山湖沿いの27号線に入る
早朝の事もあってか車の往来は無く、寒河江川沿いを進むと所々に蕎麦屋や温泉の看板を見つけた
帰りにはゆったり温泉に入って、美味しい山形蕎麦を食べようと二人で話し合った
寒河江川の上流の根小川沿いのダートを走ると、7時前には登山口の日暮沢小屋に到着した
既に小屋の前の駐車場は満杯の為、林道脇の空地に車を止め、日暮沢小屋の前に行くと
看板にメモが書かれており、本日は団体が入山していて竜門小屋は満杯らしい
我々は大朝日小屋泊なので問題ないが、花の時期の大朝日連峰の人気ぶりが感じられる
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出発するといきなり急登が始まる
花は少なめだが、それでも色鮮やかな花が出迎えてくれた


キンポウゲ

キンポウゲ

タチツボスミレ

タチツボスミレ

イワハゼ

イワハゼ

時々緩やかな傾斜になるものの、ずっと急登が続く
稜線に出てからの天気が気になるので早く登りたい気持ちにもなるのだが
荷物の重さと急登の連続で、とてもスピードは出せない
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樹林帯を抜けると北側に月山が見えた、朝日から見る月山はなんて優美な姿なんだろう
水場で休息していると、団体が登ってきた
リーダーと思われる人が大きな声で仲間に休憩を告げながら我々の前にやってくる
今夜は竜門小屋に泊まるそうで、地元山岳会のことなど朝日の事に詳しかったので
私は勝手に”地元の人たち”だと思い込んでしまった
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清太岩山まではたっぷり3時間かかった、しかし、ここからの景色が素晴らしかった
我々が登ってきた尾根は、南北に連なる朝日連峰の中程にある竜門山頂でほぼ直角にぶつかっていて
左を見れば南に伸びる西朝日岳、大朝日岳方面、右を見れば北に伸びる寒江山、以東岳方面だ
まさに大朝日連峰の主稜線全体が目の前に見えているのだ
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左側の西朝日岳、大朝日岳方面
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右側の寒江山、以東岳方面
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正面には竜門山、右肩に竜門小屋が見えた
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ナナカマドと寒江山、以東岳
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竜門山の頂上付近には大きな雪渓が残っていた
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竜門山に向かうS脇君
途中でさっきの団体の斥候隊2人に追い抜かれる。もの凄く早い。。。(汗)
話を聞くと仙台から来た団体で、2人は一足早く竜門小屋に到着する為に急いでるらしい
地元の人たちではなかった様だ
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ようやく竜門山に到着、ここで左折すれば大朝日方面、右折すれば以東岳方面だ
我々は左に曲がり、団体さんは右折する
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主稜線を歩きながら振り返ると、さっきの人たちが竜門山の雪渓を登っている
登りではかなり疲れた、
でもここまで来れば、後は花の稜線歩きを楽しむだけだ
西朝日岳に向かうとヒナウスユキソウの群落も見られた


大朝日岳に向かう稜線上は静かで、途中1人とすれ違った他は誰も歩いていない様子だ
我々は周りの景色を堪能したり、誰も居ない登山道でゆっくり昼食タイムを取ったりした
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西朝日岳から西に延びる袖朝日岳の向こう側には飯豊連峰が見える
中央付近に見える長い雪渓は石転び沢雪渓だろうか
そうすると、あれが北股岳と梅花皮岳、あれが大日岳、飯豊本山は手前かな、などと山座同定しあった
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西朝日岳に登るS脇君
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西朝日岳の頂上からは、周辺の知っている限りの山々が見渡せた
北側には、鳥海山、月山、葉山、南東側には大朝日岳の左に蔵王連峰
南西側には飯豊連峰、吾妻連峰、その先には磐梯山が見えた

右に月山、左奥に鳥海山が見える
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向こうに見えるりっぱな尾根は、北寒江山から相模山、大上戸山へと西側に伸びる稜線だ
主稜線と比べても引けをとらないくらい大きく雄大な姿だ、、いつか登ってみたいと思った
その向こう側には新潟の山々が幾重にも重なって綺麗なグラデーションとなっている
更にその先に海岸線らしき線が見えるのだが、どうも判然としない
だが、鳥海山と海の位置関係から想定すると日本海の海岸線に違いないと二人で話し合ったりした
足元にはたくさんの高山植物が咲いている


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いよいよ中岳を越えて大朝日岳に向かう
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持ってきた水も僅かだ、手前の金玉水で水を補給することにする
小屋の方を見ると、10代と思われる10人くらいの若い男女が水筒を抱えて下ってくる
しかし、雪渓の前まで来て、皆しゃがんでいて降りてこない、何故だろう??
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先に雪渓に降りた我々も金玉水を探すが雪に埋もれていて水場がみつからない
諦めかけた時、お花畑の近くの雪渓の下から、水音が聞こえた
諦め気分で暫く足で蹴ると、何と、穴が開いて勢いのいい流れが見つかったのだ
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水が汲める事を若者に知らせようと雪渓から上を見上げると
若者たちは小屋に戻ろうとしており、一生懸命手を降ると1人が戻ってきた
雪渓は危険だから降りない様、リーダーからお達しがあったらしい
明日は天気が悪いので、それ程水は飲まないだろうから大丈夫だと言って引き上げて行った
若い彼らの従順さと初々しさが新鮮だった
こんな若い人たちが登山しているのを見ると、大昔の自分を思い出して思わず懐かしくなる
汲んだ水を飲むと、とても冷たくて”雪渓の味”がした
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小屋の前のチングルマとハクサンイチゲのお花畑
ようやく小屋に到着すると、穏やかな小屋の管理人の人が親切に迎えてくれた
小屋に荷物を預け、小雨が降り出す中、大朝日岳の頂上に向かう
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大朝日岳の頂上
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明日下る予定の小朝日岳への尾根が見える
一頻り、頂上からの景色を堪能した後、雨が強まったのを機に小屋まで駆け降りた
さっきの若者のパーティは静岡から来た中学生の同好会らしく、既に到着している方々を含めると
大朝日小屋も今夜は満杯の様だったが、我々は中2階の一角に案内され。。とにかく一息つく
我々は2階に僅かなスペースを確保して今日の良き山行を祝して乾杯、そしてのんびり夕食を食べた
その後も、続々と後続のパーティが訪れ、小屋は本当に満杯状態となった。。。大朝日連峰の人気振りが伺える

<二日目>
翌日の早朝、目が覚めるとまだ雨が降っていた
申し訳ないことに、S脇君は私の鼾で寝不足だったらしい
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朝食を済ませると、雨のなかを早々に下山する事にする
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道端には可憐なヒメサユリが咲いていた
まだ、3分咲き位で蕾も多い、、来週には満開となりそうだ
小朝日岳は小屋の人のアドバイスに従い脇道をトラバースした
小屋の管理人が雪渓のステップを切ってくれていたので、ノーアイゼンでも問題なく通過出来た
こんな天気の日にはアイゼンの付け外しは大変なので、本当に助かる
大朝日小屋の管理人の方に感謝、本当にありがとうございました


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流石にメインルートだけあって、雨天でも沢山のパーティーが往来している
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小寺山山頂
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分岐をハナヌキ峰に向かうと人影は無くなり、長い林道を歩いて日暮沢に戻った
今日は雨だったが昨日の展望と咲き誇る花々を思い出しながら帰途についた
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湯気が立ち込める寒河江川沿いにある大井沢温泉に寄って見ると、小さいが中々泉質の良い温泉だった
温泉から出て休んでいると、昨日の団体さんが入ってきた
向こうも気がついて挨拶すると、竜門小屋も満杯だったので、何と狐穴小屋まで行って泊まったとの事
花の時期の大朝日の人気ぶりは凄かった
後で調べてみたら、このパーティは仙台の朋友会の人たちだった
そう言えば、昨年秋にS脇君と船形山避難小屋に泊まった時も朋友会の人と一緒になったっけ
何かご縁がありそうな団体である

温泉の次は、何件かある蕎麦屋の中で、S脇君が古い農家風の蕎麦屋を選んだ
玄関の土間から上がり、奥の座敷に通されると大きなお膳が3つほどあって、大人数が食べた後だった様子
お婆さんが片付けるのをS脇君が手伝ったので、あっと言う間に片付いた
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茹でた月山タケノコと、山菜たっぷりの暖かい汁に蕎麦をつけて食べる山菜蕎麦を注文、、とても美味しい!!
お金を払おうとすると女将さんが、雨が止んでから帰ればいいのに、などと山形弁でノンビリした事を言う
外はもう大雨になっていて、そう簡単に止む感じではないのに。。。。(汗)

一頻り、蕎麦やタケノコが美味しかった事や、タケノコは今朝月山で採ってきた事、茹で方などについて話をしたのだが
女将さんの山形弁は、自分には半分位しか分らなかった
でも、気持ちはとても通じ合った気がして、違和感はなかった
それにしても、良く歩いたし、良く食べた
二人とも、もう十分満足して蕎麦屋を後にした

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