2011年7月30日~8月3日 黒部源流を巡る旅(第4話): 高天原山荘→雲ノ平キャンプ場
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お花畑の中の雲ノ平山荘

【8/2(火)】  晴れのち曇り 夜小雨

高天原山荘(5:15)-竜昇池(5:40,5:50)-高天原温泉入浴(6:15)-高天原山荘(6:40)-高天原峠(7:55)-森の道内-奥スイス庭園(9:13)-電波塔(9:40)-雲ノ平山荘(10:25,10:45)-雲ノ平キャンプ場(11:15) 泊

昨夜は早く寝てしまったので翌朝は3時頃から目が覚めた
トイレに行くついでに外に出てみると雨が上がったばかりの様だった
5時からの朝食のあと受付の女性に竜昇池への道を聞くと、温泉の脇を登っていけば15分位で着くと教えてくれた
彼女も昨日の休み時間に行ってきたそうだが、あまり人が入っていないので草が多く、露で濡れるから雨具を着ていったほうが良いとアドバイスもしてくれた
底抜け3人組は朝一番で岩苔乗越経由で水晶岳に登ると言って出掛けて行った
私は彼らに別れを告げると、サブザックを背負って竜昇池へと向かった

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高天原の奥にある秘境 竜昇池
実際に歩いてみると早朝に降った雨で、道は濡れた木や笹に覆われており雨具を着けて来て正解だった
竜昇池は想像以上に大きくて、朝靄のなかにひっそりと山の緑を映し込んで透明な水を湛えていた
風もなく、音もしない湖畔にはニッコウキスゲやチングルマ、タカネリンドウなどの花が咲いていて正に秘境の園といった雰囲気を醸し出していた
たった一人でこの秘境を暫く堪能したあと小屋への帰路に着いた

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朝露に濡れたチングルマ
帰り道の途中には昨日入った温泉がある、まだ6時だから誰も居ないはずだが、ちょっと覗いてみようと思った
案の定誰も入っていないお風呂は朝日に薄青色に輝いていて魅力的だった
これはもう入浴しない手は無い、何故かサブザックにはタオルが入っていた

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誘惑に負けて入った朝風呂  まだ6時だから誰もいない
小屋に着くと、大方の人たちは出かけた後だった
トイレを済ませて出掛けようと小屋の人やノンビリしている人たちに挨拶をすると、気持ちのいい挨拶が返ってきた
ここは花が咲き乱れて地上の楽園の様なところ、水も空気も爽やかで美味しい
こんな環境でたった1日過ごしただけで、心がとっても素直になっている気がする
私は晴やかな気持ちになって小屋の敷居を跨いだ

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高天原を出発して雲ノ平に向かう
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朝の薬師岳は暑い雲に覆われていた
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高天原高原の木道を進む
朝の高天原高原は全てが露に濡れていて、特に木道は滑りやすくて気を抜けなかったが、尖った唐松の木々やワタスゲの群落が美しくてついよそ見をしてしまうと、とたんに足を滑らせた。水晶岳方面から流れてくる清流は朝日を受けて白い水飛沫を輝かせて流れていた

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ワタスゲの群落(ピンボケ)
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今日はこの森の中を登るのだ
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水晶岳側から高天原高原を流れ下る激流  飲むと味もワイルドだった
川を渡った後、急登が30分程度続くと高天原峠に着いた、峠を越えて真直ぐ行けば薬師沢方面に抜けられる。私は左に折れて雲ノ平へ向かった

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高天原峠
雲ノ平までは直ぐに着きそうに思えたのだが、ここからの登りは結構大変だった
暗くて湿った深い森林帯が続く
やはり暗い森林というのは見通しが利かず、特に単独の場合は気が滅入る

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急な鉄の梯子が3段もあった  思ったよりかなりキツイ登り
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眼下には高天原高原と山荘が見えた 本当に美しい秘境だった
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正面には赤牛岳が見える
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池唐と水晶岳、赤牛岳の稜線
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右の台地の向うが雲ノ平だ
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奥スイス庭園
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登ってきた道を振り返る
途中、救助ヘリが頭上を越えて薬師岳方向に飛び去った。緊急時かもしれないので手は振らなかったが、薬師岳を舐めるように飛んだ後、富山方面に飛び去ったのを見て単に巡回していたのだと分かった
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富山県のヘリ
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薬師岳の山肌スレスレを舐める様に飛んだ
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スイス庭園と薬師岳
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午前10時 まだ水晶岳はくっきり見えている
スイス庭園を通り過ぎる頃にはすっかり展望も良くなって楽しい稜線歩きに変わった
午前10時、正面の水晶岳や赤牛岳の稜線がはっきり見渡せたが底抜け3人組はもう水晶岳に登頂出来ただろうか
凝視しても彼らが見える分けでもなかったが、気になって何度も山頂を見てしまう、彼らが水晶岳に雲が掛かる前に登頂を遂げ、眼下の雲ノ平を見て笑っている様子を想像した

無線のアンテナ基地の様な施設を通り過ぎてちょっとした丘を越えたところで眼下に雲ノ平山荘が見えた
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遂に雲ノ平に到着
一面にお花畑が広がる中に木道が続いていて、まだ真新しい山荘が眩しいほどに輝いて見えた
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お花畑が良く似合う雲ノ平山荘
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山荘の入口  まだ一部工事をやっていた
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小屋の食堂  ラーメンとビールを注文する
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食堂から入口側 何とステレオとパソコンが動いていた
これでほんとに山小屋かよ? 町の喫茶店より綺麗だし!
普通の人は一日では来られない山奥に居るという気がしなかった
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まだ10時半だった
受付の女性に、テントを持っているけど、あんまり綺麗な小屋なので泊まりたくなっちゃって迷っていると言うと笑われた
解決策は2泊する事だが、結局500円を払ってテント泊にした

テント場へは祖父岳に向かって木道を約30分くらい歩かなければならないのだが、両側にはハクサンイチゲやチングルマなどの花が咲いていて素晴らしい散歩道だった
小さな峠を越えると広大なテント場が広がっていた

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小屋からお花畑の道をテント場へと向かう
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お花畑が続く
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祖父岳への道 右に曲がってテント場に向かう
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広大なテント場
まずは水場を確認して水を飲んでみると、祖父岳から流れ出たその清水は格別美味しく感じられた
黒部五郎岳のカールの水も特別美味しかったから、自分としては谷の水より山の上の方ほど美味しく感じる気がしたのだがどうだろうか
今回のコースではどの水も格別に美味しい水ばかりで甲乙付け難いが、確かなのはその場で飲むフレッシュな水でしか味わえない、それぞれの格別な味わいがあるということだろう

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ここの水は美味しいので小屋から汲みに来る人が後を絶たない
広いテント場は大きな石がゴロゴロしていて意外と張れる場所は限られていた
一昨日の大雨の事が頭をよぎって迷った末、這い松に挟まれた小さな場所を見つけて設営した
時間は早かったから周りの景色を見たり、寝転んだりコーヒーを飲んだりしてゆったり過ごした
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設営したテント

夕方お隣さんが何処かから帰還したので話しかけたところ、何と日帰りで高天原の温泉に入ってきたらしく、かなり疲れたと言う
往復6時間以上もかかるのだから無理もない
でも極上のお風呂に入って、今夜はぐっすり眠れるんじゃないかな!
ここにテント泊している人たちは、この場所が気に入って何泊もする人も珍しくないらしい
さもありなんと言うテント場であった
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テントを畳んで帰っていく人たち
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テントから黒部五郎岳のカールが見えた
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寝転んでポッカリ空いた青空を見上げる
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だんだんテントが増えてきた
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祖父岳
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やっぱりデッカイ黒部五郎
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夜の内に、明日の早出に備えてパッキングし直しておく
明日は一気に折立まで下るのだから荷物の整理と準備を終えて早めに就寝とした
暗くなったテントの中で目を閉じると、自然の中を無心になった心で歩いている自分が見えた
無心で歩いている内に自分が普段抱えている悩が一つ消えた様な気がして何となく安らかな気持ちになっていた

第1話 大宮→太郎平小屋編へ
第2話 太郎平小屋→黒部五郎小舎編へ
第3話 黒部五郎小舎→高天原山荘編へ
第5話 雲ノ平キャンプ場→折立編へ