北海道南部の名山を巡る山旅(➂芦別岳編)

2018年8月2日

芦別岳
峠を越えると目の前にドーンと現れた芦別岳の大きさに圧倒された。

昨年この芦別岳を登ろうと計画していたところ、予約していた宿から連絡があり夏の大雨により夕張岳や芦別岳へのアプローチ道が決壊しているとの連絡があり断念した経緯がある。そこで今年は道路も復旧したとの事で計画の後半に取り込んだのだった。

芦別岳へのルートは2つあり事前の調査では旧道については少し荒れていて時間も掛かるらしいので今回は新道コースを往復する事にした。登って見ると幾つかの小ピークを過ぎて現れた芦別岳の山容は大きく堂々としていて立派だった。

そして途中の山道では沢山の花が咲き、山頂では雄大な富良野から大雪にかけての景色や反対側の夕張岳方向には幾重にも山々が連なって見えて綺麗だった。但し、上部に行くにしたがって登山道にはおびただしい数の熊のフンが点在し如何にもすぐそこに現れそうな不穏な空気がみなぎっていて終始緊張の登山となった。しかしそれを除けば芦別岳は想像していた以上に素晴らしい山だったのである。

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山部太陽の里の美味しいジンギスカン定食を食べた翌日、起きてみれば晴天で真っ青な空が眩しかった。

朝食を簡単に済ませると、早速宿からほど近いところにある登山口へと向かった。

宿の敷地内にはヒマワリが栽培されていてその上には今日登る芦別岳が聳えている。後で判明したのだが、実際のピークはその後ろにあってここからは見えていない。

登山道の入口。ここで登山届を出して鹿よけのゲートを抜けた。

いたって普通の登山道が始まる。朝の木漏れ日が登山道を照らして気持ちがいい。

暫くだらだらした道を登ると見晴台に着いた。

富良野の町が広がっているのが見えたが大雪山方面の山は霞んでいた。

花もぽつぽつと咲き始めていた。

 

北側には芦別岳の北峰やその背後にある御茶々岳方面の山々が見える。

暫くすると雰囲気のいい白樺の道が続いていた。

そのうち半面山と言う展望地に着く。

更に標高が上がって富良野の平地が良く見渡せた。

半面山を過ぎるといよいよ核心部に入った。前方には雲峰山、そして背後に芦別岳が見えた。

北側には険しそうな旧道コースと思われるピークが見えた。

先ずは雲峰山へ登る。

一旦コルの様な所へ降りると湿地となっていて如何にも熊が好きそうな場所だった。

私以外誰も居ないし不気味なほど静かである。

登り始めると何と登山道には無数の熊のフンが点在していた。しかもまだ新しそうな感じだったので付けていたクマ鈴を一層大きく鳴らしながら歩いた。何とかこちらの存在に早めに気付いて貰わなければならない。

そんな緊張感の中で何とか雲峰山を登りきるといよいよ芦別岳が迫ってきた。まずその堂々とした大きさにびっくりさせられたし美しい山容に魅せられて早くあの頂に登って見たいと思った。

緊張感とは裏腹に綺麗な花が咲いていてゆっくり見たいがそうもいかない。

綺麗な山道を速足で歩いていると向こうから一人の人が下ってきた。すれ違う時に挨拶すると、山頂に居た時に向こう側50m程下に熊がいてこちらを見上げていて目が合ったので早々に降りてきた。まだ居るかどうか分からないが気を付けて行った方が良いとアドバイスされたのだ。

これには参った。正直、引き返すべきか暫く躊躇したが前方の登山道は見通しが良く周囲は笹の原でやはり良く見渡せたから、クマ鈴を鳴らしながら注意深く歩く事にした。実際問題、姿を発見したとしてその時点でどう行動すればいいかなど良く分からなかったのだから無謀だったかもしれない。しかし目の前に聳える山頂へ行きたい気持ちが背中を押した事は間違いなかった。

最後は急登になったが、緊張したまま何とか山頂に辿り着いた。そしてそこから見える景色に感動し、ここに来れたことがとても嬉しかった。

さっきの人が言った山頂向こう側には既に熊の姿は無かった。代わりに美しい峰々が広がって見えていた。

北側には少し険しい峰々が連なっている。

すぐ南側の尖ったピークはポントナシベツ岳だろう。そのずっと向こうに見えるのは夕張岳方面の山並みと思われた。

眼下には美しい笹原の中に先程登ってきた登山道が一本見渡せる。更に下には富良野の平野が良く見えた。

さっきまで緊張の連続だったのもすっかり忘れて素晴らしい景色に見惚れてしまった。

この素晴らしい景色は写真では表現しきれないと思いビデオにも撮っておいた。

こんな景色をすっかり堪能して徐に下山を開始した。しかし、この後も暫くは慎重に下る必要があった。

何故なら先程反対側50m下に居た熊は、同じ標高のまま反対側へトラバースした可能性があるからだ。険しい山頂方向へ来るよりトラバースして歩いたほうが餌だって豊富なはず、姿が見えなくなったが決して油断は禁物だと思われた。

緊張しつつも下山し始めると、登る時には気が付かなかったが尾根から北側に急峻な谷が見え始めた。

雲峰山あたりまで降りてくると漸く登ってきた登山者と遭遇した。ここから先は注意して行くべきと忠告したのは言うまでもない。

見晴台辺りまで来るとやっと安心して歩けるようになる。

登山口に到着、ホッとすると共にこの山の素晴らしさを堪能した気がして嬉しかった。

次なる目的地夕張へ向かう前に富良野へ出てトウキビを食べた。またこれが旨い!

そして性懲りもなくまたメロン。これまた旨い!

最後に富良野のラーメンで腹ごしらえ。素朴な味で美味しかった。

まだ時間があるので富良野町のラベンダー畑に寄ってみた。ラベンダーだけじゃなく色々な花が綺麗に咲いていた。

ラベンダーの丘に登ると大雪山から十勝、富良野岳までの山並みが良く見えた。自然と昨年の登山の事を思い出してしまう。

この山々が北海道でも最も好きなのだと思う。何時かもう一度あの山を歩いてみたい。

下へ降りてラベンダーソフトを食べると、もう思い残すことはない(汗)。

最後に富良野から見た芦別岳方面の山を撮影して夕張方面へと向かった。

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<今回のルートと時間>

登山口(5:18)→半面山(7:30)→雲峰山(8:08)→芦別岳(8:40-8:55)→雲峰山(9:14)→半面山(9:37)→登山口(11:15)

 

 

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