新潟の名山、巻機山へ登る

濃い霧の中、巻機山の最高地点を目指す。

S脇君と新潟の巻機山へ登ってきた。

巻機山は新潟県と群馬県の県境にあって越後三山と谷川岳に挟まれる感じで聳える標高1967mの百名山だ。標高差1300m程もあるのでS脇君と相談して朝一で登り始めるため麓の宿に前泊する事にした。

朝方は曇っていて霧が発生していて殆ど景色が見えなかったが、その後次第に回復してきて山頂標識がある場所から越後三山方面が見えた時には嬉しくて思わず万歳してしまった。

この時期まだ残雪もあったが登山道には雪は無く良く整備されていて歩き易い。途中にある避難小屋付近には織姫の池という池があって丁度水芭蕉の花が咲いていた。この池は地元の有志が整備しているらしく登山を楽しむ上で貴重なポイントとなっていて、この優しい山容の山が地元の人たちにとても愛されているのを強く感じた。

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前泊なのでのんびり新潟へと向かった。途中、S脇君が見た巻機山の番組で紹介されていたという南魚沼の村杜木六神社へ立ち寄ってみた。
大木六村には「巻機山」に関してある伝説があるらしい。
「大木六の百姓弥治右衛門は巻機山で日が暮れるまで山仕事をしていて帰り道を見失い笹薮の中を迷走していると向こうに一つの灯りが見えた。地獄で仏に会ったような気持ちで行ってみると、気品の高い女の人が荒れすさんだ家の中で機を織っていたので、わけを話して一夜の宿を乞うた。美しい女人は『お泊め申すまでもございません。わたくしも里へ下りたいと思っていた所です。わたくしが案内しますから、おんぶして一緒に下りてください。そして、わたしがおんぶしている間、決してわたしの姿を見ないことを約束して下さい。』と言った。
弥治右衛門は半ば気味悪く思ったが、家へ帰りたさに承知し、背中におんぶして案内されるままにどんどん駆け下りた。間もなく知っている村々の灯りが見えて安堵の胸を撫で下ろした。しかし見るなといわれればなお見たくなる。もうたまらなくなって遂に横目でちらっと見てしまった。そのとたん美しい姫の姿はなく、自分の片目は横にらみのまま戻らなくなった。以来弥治右衛門の家では代々一人は必ず斜視の子が生まれる様になったという。」
その姫神を祀っている神社である。

伝説の様に道を間違えながらも漸くこの「村杜木六神社」に辿り着いた。

神社の中へと向かうS脇君。一緒にお参りを済ませた。

大木六からR291を南へ進むとやがて清水という村落に着いた。今夜はここ「上田屋食堂さん」に泊る。

この日の宿泊客は我々だけだそうで、巻機山の麓で静かな時を過ごす事が出来た。

周辺を散策してみると何軒もの民宿が立ち並び、周辺には色々な花々が所狭しと植えられていて綺麗な村だった。

山を見上げると黒い雲の合間から巻機山へ続く山並みが見えた。明日は晴れてくれるといいのだが。

次の早朝、村の上部に位置する登山口へと向かった。宿から僅か5分ほどの距離である。

尾根コースと書かれた登山口から入山する。

始めから急な坂道を登り始めた。

5合目に着くと漸く少し展望が得られた。

朝日が昇ろうとしている尾根の上が巻機山の山頂だろうか。

道に咲いていたイワカガミ。やや白い花が綺麗だった。

周囲にはブナらしき美しい林が続いていて気持ちがいい。

真っ白なタムシバの花が目に染みる。春に咲く大好きな花の一つである。

真っ白なタムシバとは対照的な色で春の花の代表格ミツバツツジも沢山見られた。

これは優しい色合いのイワウチワ。自然界でこれ以上美しいピンクを見たことが無いと思ってしまうほど綺麗な花。

隣の尾根に一際尖った天狗岩と思われる尖峰が見えた。深く切れたヌクビ沢にはまだ雪が残っていた。

ベニサラサドウダンの花がこれでもかと言わんばかりの華やかな美しさを披露していた。

オオカメノキも可憐な美しさで楽しませてくれる。

まだ咲いていてくれた石楠花の花。

上品な白と青色で見るものを魅了するミヤマリンドウ。

その中に白いミヤマリンドウを見つけた。初めて見たがシロバナミヤマリンドウというのだろうか。こちらも清楚な美しさだ。

やがて稜線に出るとところどころに雪が残る巻機山が見え始めた。山頂付近は残念ながら雲に覆われている。

良く整備された木組みの階段を登る。

谷筋には今でも沢山の残雪があったが、幸い登山道には雪が無く助かった。

こちらはアカモノ。春を迎え、植物がみんな生き生きとしていて活力を感じさせてくれる。

やがてなだらかな登山道になったが、風は冷たく感じられる。

やったと思ったらここはニセ巻機山だった。

一旦下ってから巻機山へ登り返す。

綺麗な木道が続いた先は雲の中へと消えていく。

コルの辺りまで下ると巻機山避難小屋が現れた。

中を覗くときちんと整理整頓されて掃除も行き届いていてとても綺麗な避難小屋だ。やはり地元の人たちが手入れをしているに違いない。

緊急時の連絡用だろうか、奥に無線用のバッテリーとアンテナ線が設置されていた。

巻機山の中腹から振り返ると小屋が良く見えた。

越えてきたニセ巻機山も堂々としていて立派な山容をしている。

やがて傾斜が緩んだ所に小さな池が現れた。ここが織姫の池だろうか。

水辺には水芭蕉が咲いていて美しい場所だ。

更に登ると山桜が咲いていた。まだ蕾が多く、これから満開を迎えるところだろう。

残雪の上を歩くS脇君。

ここを登り切った所に巻機山の山頂標識があったのだが、最高地点はこの先にあるらしいので更に進んでいく事にした。

一転してなだらかな高原の様な遊歩道が続く。

斜面にはまだ沢山の残雪が残っていた。

池塘と残雪、その間を貫くように木道が続いていて美しい。

その先には朝日岳方面への長い縦走路の分岐を示す標識が立っていた。何時かここを歩く時が来るかもしれない。

最高地点らしき場所にはケルンとも言えない単なる盛石?の様なものがあった。標識も無くちょっと寂しい。

朝日岳方面へと続いているのだろうか、長い尾根の先は雲に覆われている。

雲の合間から尖った尖峰が見え隠れしていた。

この先の牛ヶ岳まで行っても展望は無いので引き上げる事にした。さっきよりは雲が取れ始めた様で、右側に割引山らしい姿も見えた。

先程通過した巻機山山頂の標識に到着。

北東側を見るとさっきまで覆われていた雲が途切れて越後駒ケ岳の姿が見えた。沢筋の残雪が幾筋も見えて、その立派な山容を見られてとても嬉しかった。

越後駒ケ岳の左側に見えるのは恐らく八海山ではないだろうか。こちらも何時か是非登って見たいと思った。

急に開けた越後三山の景色を見られて嬉しくなり、思わずピース。

早いうちに登りに行くから待ってろよー!!と心の中で叫んでいた。

こちらは雲に隠れていた牛ヶ岳かもしれない。

牛ヶ岳へ行かなかったのでS脇君と相談して割引山へ寄ってみようという事になった。

しかしいざ向かってみると北側斜面には雪がびっしり残っていて嫌らしいトラバースを余儀なくされる事が判明。今回はアイゼンも持参しなかったので無理せず戻る事になった。

戻る際に見つけたショウジョウバカマ。こいつに会えただけで良しとしよう。

帰り道、先程の水芭蕉を眺めながらのんびり戻る。

振り返ると残雪の上部に山頂標識が見えた。

雲がすっかり取れたニセ巻機山への道を下る。

少し赤い色が強いイワカガミ。

朝日岳方面へ延びる尾根も良く見える様になった。

途中、すっかり雲が取れた割引山へ続く尾根が綺麗に見えた。こちらの尾根にも登山道があるらしい。

綺麗な雑木林の中を進むと程なく登山口に着いた。

天候悪化を懸念して早出したのだが、意に反して午後に向かって天気はどんどん回復して下山した頃が最も良い天気になってしまった。

しかし山頂付近で突如越後三山が顔を出してくれたのには感動した。そしてその姿を見て、何時か登って見たいという気持ちが強まった。

この巻機山はおおらかな山容とあちこちに咲く花々の美しさ、そして地元の人々に愛された山だという事を強く感じさせてくれたいい山だった。

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<今回のルートと標高データ>

巻機山登山口(4:50)→ニセ巻機山(8:15)→避難小屋(8:30)→巻機山山頂(9:00)→最高地点(9:13)→朝日岳方面分岐(9:20)→巻機山山頂(9:40)→避難小屋(10:15-11:10)→ニセ巻機山(11:20)→登山口(13:22)

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