大山、六甲山へ登る旅・・その3(大山登山)
玉造温泉で朝食を食べて早々に出発した。米子を過ぎて登山口である大山寺に近くまで来て見上げると山頂付近は雲に覆われていたが、半分より上部は昨日降ったと思われる雪で真っ白になっているのが見えた。昨日は天気予報が芳しくなかったので一日遅らせて臨んだ伯耆大山登山だったが、まさか雪山登山となるとは思わなかった。
何はともあれ、今回の旅のメインイベントである伯耆大山登山はこうして始まったのだった。
大山、六甲山へ登る旅・・その3(大山登山)
この日細君は車で松江城や美術館などを観光する為、大山寺の近くにある登山口まで送ってもらった。登山口付近にあるMontbellから見ると上部はかなり白くなっていた。
今回の登山は11月という微妙な季節でもあり、念のためチェーンスパイクを持参していたので役に立ちそうだった。
Montbellから見えた伯耆大山。下部の紅葉が白くなった上部の険しさを際立たせているように見えた。
いずれにしても初めて訪れた山に積雪があるのだから気を引き締めて歩き始めた。
標高約800mの登山口にはまだ緑の木々が多く、きれいに整備された石段をゆっくり登り始めた。
この道は夏山登山道というルートだ。
暫く登ってくると紅葉も終盤である事を思わせる風景となる。
更に標高が上がると北側直下に尖った山と海が見える様になった。地図を見るとこの山は豪円山という山のようだ。
更に東側を見ると裾野の紅葉と更に下の緑の木々、その向こうには海岸線が見渡せて3色に色分けされた景色が奇麗だった。
まもなく5合目に当たる行者分かれという分岐が現れた。
標高1300mを超えると一気に展望が開けて美保湾とその先の島根半島まで良く見える。
6合目の避難小屋に到着、この辺りから地面が白くなってきた。
丁度いい場所に建つこの小屋はまだ新しそうでこれからの季節に無くてはならない施設となるだろう。
東側に連なる険しい大山の北壁がまじかに見られた。
登山道の上部を見上げると霧氷の木々と稜線を登る登山者の姿が見えた。
白くなった梢と紅葉が奇麗だった。
真下を見ると白、赤/黄、緑の正に3段紅葉の景色が広がっていた。
こんな景色が見られるとは思ってもいなかったので感激して何度もシャッターを切った。
こちらは海まで入れた景色。
美保湾と隣接する中海と宍道湖まで見えた。
更に進むと薄く雪に覆われた木道が出てきたのでチェーンスパイクを装着して進む。
チェーンスパイクは主に凍った林道などで便利だがこの木道歩きにも最適な道具だ。しかし雪が薄いのでスパイクで木道を傷つけないように歩いた。
大山頂上避難小屋に到着。ここまで登ると辺りは真っ白く雲に覆われていて視界は遮られてしまった。
標高1709mの山頂に到着。
大山の最高点は剣ヶ峰の1729mだが崩落などのため通行禁止となっているため、第2峰のこの弥山を頂上としているそうだ。
この先に剣ヶ峰があるはずだが雲の為視界はなかった。
山頂の直下に避難小屋があり、周囲を木道が敷設されていた。
山頂からの景色が見られないのは残念だが、ここまで登れただけでも感謝しなければならない。それに山頂には次々に登山者が登ってきたので各地から訪れた人たちと楽しい話ができた。
話をしている内に、何と一気に視界が開けた。何というラッキーだろうか。
山頂から見える景色は同じでもまた格別だった。そこにいた全員が歓声を上げて写真を撮りまくっていた。
弥山の向こう側に辛うじて剣ヶ峰らしい山頂も見える。
山頂からの景色をたっぷり堪能したので、徐に下山を開始した。
行者分かれで地元の人と別れ、行者コースへと進むと紅葉の中の木道の美しい道が続いた。
木道の木々の合間から見えた大山北壁は荒々しく人を寄せ付けない厳しい表情を見せていた。
更に下ると紅葉の色が入って少し和らいだ景色を見ることが出来た。
本谷避難小屋まで降りると河原を横切って進む。
最後に上部の険しい表情をアップで撮ってみた。
あまりに美しいこの景色を何度も撮った。
大神山神社の奥宮に立ち寄る。大神山とは大山の古名で大国主命が祭られているそうだ。
長い階段を降りた。
会談の先には長く美しい参道が続いていた。
Montbellまで下山すると細君が迎えに来てくれた。今日の登山と凄かった景色の話と細君が回った松山城や美術館の話で盛り上がる。
一昨日走った南大山へと回ると白くなった大山の全貌が俯瞰出来た。
素晴らしい登山をさせて貰い、見たこともない景色を見せてくれた大山に感謝の気持ちでいっぱいだった。
嫋やかな蒜山高原を見ながら米子道、中国道を経て一路次の目的地神戸へと向かった。