九州一人旅 その5(九重連山縦走 Day2)

平治岳まで登ってくるとミヤマキリシマの群落の下に広がる坊がつるやずらっと並ぶ九重の山並みが見えて壮観な眺めだった。

昨日は生憎の雨模様だったので急遽九重連山の縦走を諦めて立中山の往復のみに変更したが、思いがけずミヤマキリシマの大群落を見る事が出来たのは本当に幸運だった。そして今朝、法華院温泉山荘から外へ出てみると昨日とは打って変わって晴天になる予感、そこで時間と自分の体力と相談しつつ出来るだけ多く九重の山々を楽しみたいと思い、朝食を済ませるとまずは大船山へと向かったのである。

法華院温泉山荘を中心として反時計回りに九重の連山を登ろうと思ったからだ。

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法華院温泉山荘を出発すると、坊がつるを経由して大船山への登山口を目指した。

ちょっと尾瀬の様な雰囲気がある坊がつるの中の木道を進む。

山から流れ落ちてきた小川を横切る。

雰囲気のいい坊がつるのテント場の中を横切っていく。この時期の為か思いの外テントが少ない。

その先に大船山への道が続いていた。

暫くは鬱蒼とした森林の中を登っていたが、突然展望が開ける場所に出ると遠くに法華院温泉山荘とその裏手に広がる九重連山が見えた。

道端にはイワカガミが咲いている。

マイズルソウも可憐な花を咲かせていた。

花たちに応援されながら急登をこなすと大船山の山頂に着いた。結構風が強い。

眼下には坊がつるの全貌が見渡せた。

昨日登った立中山の山頂はミヤマキリシマのピンク色に染まっていた。この時期この山が最も満開に近い場所だったらしい。

南東方向に少し離れた場所には由布岳と思しき山が聳えていた。ここから見ると双耳峰の様でその頂はかなり尖って見える。

九重山や中岳などの連山が連なって見えた。その姿を目の辺りにすると、ここまで来てあそこに登らない手はないと思った。

法華院温泉山荘や坊がつるのテントががあんなにとは驚きだった。

正面の立派な山容をした頂は三俣山だろうか。

こちらは阿蘇方面と思われるが、一昨日見た祖母山からの阿蘇とは全く違っていて広大な山容に見えた。

恐らく祖母山がある方角なのだが、やや左の最高点辺りだろうか。判別がつかなかった。

そしてこちらがこれから向かう大戸越から平治岳へと繋がる連山だ。

更に遠方へと目を向けると別府湾が見えていた。今日晴天となってこれらの景色が見える事に感謝したい気持ちでいっぱいになった。

豊後水道が朝日に照らされて輝いて見えた。素晴らしい展望である。

大船山避難小屋は改装中らしく中へは入れなかった。

大戸越へ向かうと早速ミヤマキリシマの群落に遭遇。咲き始めで新鮮な花が開花していた。

北大船山に到着。

平治岳と思われる山頂付近はミヤマキリシマでピンク色に染まっているのが見えた。これは期待できそうである。

大戸越から上部はミヤマキリシマの大群落だった。

誰もが撮影したくなる場所である。しかしミヤマキリシマをよく見るとまだかなり蕾があるので本来の満開はまだまだこれからなのかも知れない。

少し登って上から見たミヤマキリシマの群落。

先程降りてきた北大船山がでっかく見えた。

更に登って振り向くと花の密度が濃いのが分かる。

平治岳斜面のミヤマキリシマの群落と坊がつるの景色。

皆さんあちこちで撮影大会となっていた。

九重連山の全貌。

平治岳に山頂はこの先の様だ。

そして遂に平治岳に到着。

このミヤマキリシマの大群落の中で九重の山々の展望を楽しんだので今回の旅の目的の殆どは達成されたも同然だったのだが、さっきから見えている九重山方面に行きたい気持ちが大きくなっていた。

そこで下山を始めようとしたのだが、実はこの時以前FaceBookで知り合った九州在住の女性から連絡が入り、この山頂で待ち合わせる事になったのである。

私は九重山へ行く時間が惜しかったが彼女も偶々友人たちと登っていたらしく30分程で到着するとの事だった。程なくこの女性と会う事が出来、暫く歓談する事が出来た。九州一人旅ではあるが、こんな偶然、人との繋がりが出来たのも何かの縁、良い思い出となった。

ミヤマリンドウ。

坊がつるまで下山すると小さな花々が目についた。

この後法華院温泉山荘の横を通過して奥に進んだ。

北千里浜あたりは火山帯らしい殺伐とした景色で覆われていた。

九重分かれ辺りから稜線に出ると一気に展望が開けた。

九重山山頂である。

山頂から中岳方面を見ると稜線に沢山の学生らしき集団が見えた。

中岳手前の池に到着。

池の上に出ると先程までいた大船山や平治岳が連なって見えた。素晴らしい景色、やはりここまで足を伸ばして良かったと思った。

反対側から見た坊がつる。

中岳山頂から池と九重山方面を振り返る。ここから先へと踏み込むと帰る時間が無くなるので止む無く下山を開始した。

 

下山して再度法華院温泉山荘前を通過する。しかしここは温泉もあって最高の山小屋、いつかまた訪れたいと思いながら後にした。

長者原へは割となだらかな山道だが帰るとなると長く感じられた。

漸くタデ原まで来ると長者原登山口はすぐそこだ。

天気で変更を余儀なくされたが二日目に晴天となりミヤマキリシマの大群落や周辺の山々も見られたし、九重連山の山々にも登れたことで大満足だった。

明日はいよいよ九州一人旅最後の山、由布山である。

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