福井と近畿の名峰を訪ねて(その① 荒島岳編)

2018年5月10-11日 福井と近畿の名峰を訪ねて(その① 荒島岳編)

荒島岳山頂に登ってみると、残雪に覆われた美しい白山連峰が目の前に現れた。

今年の春は気持ちのいい晴天が続いているのでちょっと遠くの山へ登りに行こうと考えていたところ、5月10日から数日間全国的に晴れるとの予報が出た。

高山はまだ雪が多くこの時期のMixルートは返って厄介だが、残雪が若干残る程度の山では花が開花し始める良い季節だ。

そこで予てから考えてた越前の名峰荒島岳と滋賀県と岐阜県の県境に位置する花の名山伊吹山へ登る事にした。

自宅から距離がある為、今回は車で行って車中で前泊し荒島岳登攀後、琵琶湖畔のとある大学施設に宿泊して翌朝伊吹山を登って帰る2泊3日の山旅を計画したのである。

しかし伊吹山を登った後、あまりにも天候に恵まれていてこのまま帰るのは勿体ないと思い、こちらも予てから予備計画をしていた近畿の山と熊野古道を歩く目論見を一気に実行に移す事になったのだった。

途中、天候が悪い日も有り車中泊や突然の宿への宿泊など思いもかけない珍道中でもあったが、どの山も私の想像以上に素晴らしく思い出深い山旅となった。

又、熊野古道については、当初は一日かけて大雲取越ルートを歩く計画だったが流石に疲れも出たので石畳が美しい大門坂から那智の滝までの半日コースを歩くに留めた。一応苔むした石段や古道の雰囲気を味わう事が出来たが、何れ本格的な古道歩きも実現したいとの思いも新たにしたのだった。

そんな訳で少し長い話ではあるが、福井と近畿を廻る山旅の話をここに記しておこうと思う。

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「福井と近畿の名峰を訪ねて」 その①は、福井の名峰「荒島岳」登山の話である。

自宅から新東名を通って荒島岳の登山口となる勝原スキー場跡までは400Km以上あり、どうしても前泊は必要である。

九頭竜湖付近にある宿に泊まる事も考えたが遠出の出費も嵩むので今回は車中泊をしてみる事にした。

車内での仮眠程度は何度もあるが、寝袋を持参しての本格的(?)な車中泊は初めてかも知れない。

勝原登山口の駐車場にて、西に沈む夕日が綺麗だった。この後、谷間にある当地は真っ暗になった。

私の小さな車でも助手席を前に出して後部座席の背凭れを倒してフラットにすると、身長173cmの私が何とか足を延ばして寝るスペースが出来た。

何時もテント泊に使うエアーマットと寝袋を使って寝る事にした。

翌朝4時頃車の横でコーヒーを入れて飲んでいると、早速朝一番乗りの登山者たちが来て先に登って行った。

最初の登りはスキー場の車道で始まるが、直ぐに普通の登山道になった。左から朝日が差してきて眩しかった。

暫く急坂を登るとスキー場の上のリフト跡に出た。

ここが本来の登山口らしい。昔はリフトでこの位置まで登れたのだろう。

この辺りには沢山の花が咲いていた。

その後は美しい自然林の登山道となった。

太いブナの新緑が美しい。素晴らしいブナ林が続く気持ちがいい登山道だった。

豪雪地帯特有の雪による変形だろうと思われるが、奇抜な形の木も多く見受けられる。

この木は「トトロの木」と書かれていた。

次第に見え始めた右手のピークは小荒島岳だろうか。

左側には白く大きな山が見え始めた。恐らく白山だろう。早く山頂から見てみたいと思うと自然と足が進んだ。

しかし、この山は急な坂がずっと続く。でもブナの林が何とも言えず美しくて苦にならない。

ここのブナ林はさっきの太い木もあればこの様な若い林も混じっていて、新旧の交代も進んでいるかの様に感じられる。

恐らく近隣の人たちによって守られているのだろう。何時までも残したい美しい林だ。

ブナの曲線美と密度の高い新緑の葉。

登山道にも一部に残雪が見られたがもう雪は少なかった。

誰も居ない春らしい綺麗な林の中を一人歩くのは何とも楽しかった。

この付近で見かけた花たち。

やがてシャクナゲ平に着いた。ここで他の登山道と合流し左に折れて山頂を目指す。

シャクナゲ平から北側には越前大野の街並みが見え始めた。

タムシバの白い花が青空に映える。この大きな花はこの時期登山道を明るくしてくれる嬉しい存在だ。

その向こうに山頂らしきピークが見えた。

この辺りの登山道には沢山の春の花が咲いていてとても賑やかだった。

そして遂に荒島岳山頂へ着いた。

白い白山をバックに記念撮影。

西側に見える綺麗な山並みは能郷白山方面だろうか。

目の前の大きな雪渓の向こうには白山と別山と思われる山並みが見える。

そして北側には大野の街が良く見えた。その更に遠方には日本海が薄っすらと見えたような気がする。

360度の大展望に暫く見入っていたが、沢山の人が登ってきたのを見て下山を開始する事にした。

 

再びタムシバの下を通って下る。

登る時にも見たショウジョウバカマとイワウチワ。二つとも美しい紫色のお気に入りの花だ。

帰りはあっと言う間に下ってしまう。気が付くと眼下には駐車場が見えた。

下山しながら見つけた花はどれも名前が良く分からなかった。

雪解けとともに開花した沢山の花々、新緑の美しいブナ林、山頂での360度の大展望。どれも素晴らしい山だった。

思い切って出かけて来て良かったと思った。

まだ時間が早いので北陸の小京都と言われる越前大野の街を通って日本海に出てから琵琶湖へ向かう事にした。

上の写真は、越前大野から見た荒島岳。どっしりとして見ごたえのある山容だ。

大野の町中のお風呂屋さんで食べた舞茸の天ぷら蕎麦はとても美味しかった。

大野の畑の周りには沢山の芝桜が満開となっていて見ごたえがある。

折角なので有名な天空の城、大野城が見える展望台へと登って見た。ここは雲海が発生した時に雲の上に現れる城の佇まいが素晴らしいそうだが、今は低山の上にある山城としか見えない。

大野の街を後にして、越前海岸へ出てドライブしてみた。穏やかな日本海沿いの道は空いていて気持ちが良かった。

途中で食べた海鮮丼。流石に日本海の幸、甘みがあって美味しい刺身ばかりだった。

琵琶湖に着いて宿の窓から外を見ると夕日で琵琶湖が黄色に染まって綺麗だった。

さあ、明日は伊吹山へ登るのだと思うと期待に胸が弾んだ。

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<今回のルートと参考所要時間>

登山口(5:43)→シャクナゲ平(7:40)→荒島岳(8:40-9:30)→シャクナゲ平(10:10)→登山口(11:25)

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