以東岳
2010年6月12-13日 以東岳、単独
まだ登った事が無い朝日連峰の北端に聳える憧れの山、以東岳に登りに行った
今年は幸い梅雨前線はまだずっと南にあって今週の土日も良い天気になる見込みだ。以東岳に登るには鶴岡市の南方、新潟県との県境に近い泡滝ダムから歩き始め、麓にある大鳥池まで約3時間、その後の登攀時間も3~4時間かかる為、今回は頂上直下の以東小屋で1泊するつもりで準備した
以東岳の麓にある大鳥池湖畔
午前5時、仙台泉ICから東北道に入り一路山形に向かった
初めての山に登る時の若干の緊張感も、車の窓を開けると新緑の木々の匂いがする春の風が心地よく気持ちも軽やかになった
山形道の月山ICを過ぎ庄内あさひICからR349を南下すると40分程度でタキタロウ公園の看板があった
ここから左に曲がって更に数キロのダートを走ると標高530mの泡滝ダムに行き着いた
行き止まりの道は少し広くなっており20~30台程度が止まれる駐車スペースがあったが、既に8割程度埋まっている
同じ頃到着した地元の人は写真を撮りに来たとの事だが、他の車は殆どが大鳥池で釣りをする人たちのものらしい
R349号線 荒沢ダム付近のトンネル
今回のルートは、
6/12:泡滝ダム7:30→七ツ滝沢8:00→大鳥池10:10→オツボ峰→以東岳14:30 以東小屋泊
6/13:以東岳5:00→オツボ峰→大鳥池7:20→七ツ滝沢→泡滝ダム10:00
以東岳は標高1771mだから標高差約1240mの登りとなる
まずは標高966mにある大鳥池に向かって東大鳥川沿いの道を歩き出した
大鳥池には2m~3m程もある大魚伝説が伝えられている
Wikipediaによれば、タキタロウが登場する最も古い文献は、松森胤保『両羽博物図譜』(1885年)で
この中の「岩名」の項目に「大物ヲ瀧太郎ト云 五尺計ノモノ大鳥川ヨリ流レ来ルコト有ト聞ク」という記述があるそうだ
自分としては久しぶりの長丁場、地元鶴岡から来た人と、時折話を交わしながら努めてゆっくり歩いた
まだ新緑が綺麗な渓流沿いの道は実に気持ちが良い
大鳥川沿いの道にはところどころ雪渓が残っていた
ゆっくりと登る道端では、沢山の春の花々が出迎えてくれる
つり橋の向こう側に休憩中の沢山の人が見えた
出羽三山を守る会の人たちで、中学生位から年配まで男女十数人の楽しそうなパーティーだった
2つ目の吊橋を渡って七曲りの急登を登りきると、遂に大鳥池に着いた
対岸の峰から流れ落ちる残雪の白と、新緑の帯が大鳥池に映って美しい景色だ
まだ10時だが流石にお腹が空いて、お握りを食べていると、出羽三山を守る会の人々も次々と到着
鶯の鳴き声しかなかった静かな湖畔に、賑やかな声が響く
湖畔ではヒメマスを狙う大勢の釣り人が鏡のような湖面に糸を垂らしており
中にはタキタロウを狙っている人も居るに違いない
大鳥小屋のご主人に挨拶すると、今日の登山者は日帰りの2人だけらしい
直登コースは急な雪渓があるがオツボ峰コース側はアイゼンを使わなくとも大丈夫だと教えてもらった
ずっと一緒に歩いていた地元の人とはここで別れ、オツボ峰コースを目指す
始めからかなりの急登となるが、更に多くの花々が咲いていて登りの苦しさを忘れてしまう

急登すること1時間、喘ぎながらもかなり高度を稼いできた
途中、下山する人と挨拶を交わす

稜線に出ると、下のほうに大鳥池が見えた
誰も居ない稜線を1人で歩く、なんという素晴らしい景色なのだろう

大きく西の方角に曲がる稜線の頂上に以東岳小屋が見えている

オツボ峰に向かう途中、大きな雪渓に出たが小屋のご主人の言う通り雪は柔らかくアイゼンは不要だ

先には雪渓の代りに、ハクサンイチゲのお花畑が山稜に広がっていた
昨年の飯豊を思い出す景色だ

来た道を振り返る

南の方角、遥か彼方の大朝日岳に続く朝日連峰の主脈が見えた
少し霞んでいるが、素晴らしい朝日連峰の全景に感動してしまう
この辺りで二人目の登山者とスライドした、もはや以東岳には自分ひとりしかいない

シラネアオイ

ようやく大鳥池が熊の毛皮の形に見えた

喘いでいたが、遂に以東岳の頂上に到着、、
昭和初期、ここで当時二十歳で遭難したの人の慰霊碑が立っていた

頂上直下に以東小屋が見える
あんなに遠くに見えた小屋が、いま目の前にあった
憧れの山、朝日連峰の以東岳に初めて登った瞬間だった

以東小屋から頂上を振り返る
今日は、30人は泊まれる2階建ての小屋に1人で泊まるのだ
夕方、小屋の脇の雪渓を掘って雪を溶かして夕飯を温めた

日本海に沈む夕日
夕日が落ちる時、一瞬の間だが、日本海が輝いて見えた様な気がした
たった一人の山頂小屋で飲むウイスキーはまた格別な味だ
何時の間にか眠ってしまったらしい

翌日目が覚めると、ちょうど日の出前の4時だった
大急ぎでサンダルを履いて山頂に登ると、
北東に月山(右側)と遠方(左側)に鳥海山が見えた
朝日連峰のどこかの山頂で自分と同じ景色を見ている人がいるかもしれない

月山の右側から登る朝日

朝日に照らされる以東小屋

南を見ると昨日同様、以東岳から大朝日を繋ぐ延々と伸びる登山道が見える
小屋に戻って朝ごはんを食べると早々に下山を開始した

北側には大鳥池が朝日に輝いていた
昨日にも増して雪の白さと新緑の緑のコントラストが美しい景観となっている

大鳥池に到着
昨日には気がつかなかった花々を見つけながら歩くと、10時頃には駐車場に到着した
幸運にも梅雨時の雨に会う事も無く、残雪と新緑が入り混じる素晴らしい景色を堪能出来た
7月に入れば更に花が盛りとなって多くの人が訪れるのかも知れない
また、何時の日か訪れたい山だ