燧ケ岳 ワタスゲの路を歩く
2016年6月17~19日 燧ケ岳 ワタスゲの路を歩く
久しぶりに山友I君から燧ケ岳登山のお誘いが来た。来春のスキーを見据えて歩いてみたらどうかというのである。
勿論二つ返事で行くことになったのだが、
その案とは大清水から入山し下田代十字路でテント泊して燧ケ岳に登頂、御池ロッジ側に下って燧裏林道を通り三条の滝経由で周回、もう一泊して尾瀬沼をゆっくり周回して下山するという行程だった。
2日目はちょっと大変そうだがテントを張ったままサブザックで周回すれば何とかなるだろうし、尾瀬にテント泊も楽しそうだと思った。
実際現地に入ってみると当てにしていた見晴らし新道は平成25年の台風18号によって発生した土石流のため通行止めとなっていて、尾瀬沼の湖尻から直登せざるを得なくなった。
そんな事情もあり2日目の行程は予想以上に長かった。しかし燧ケ岳登頂した後に会津側のルートを下って熊沢田代辺りまで来ると、長く続く木道の両側には池塘が点在し、その周囲には高山植物やワタスゲが群生した素晴らしい路が続いていて何とも言えない景観を見せてくれたのである。
また、後半に立ち寄った3条の滝は、早かった今年の雪解けの影響か轟音と共にまるで一条の滝と化して、落差約100mもあろうかと言う一筋の大滝となっていた。日本の滝百選に定められたのも頷けるほど素晴らしい滝だった。
最終日、尾瀬沼を回って大江湿原付近を通ってみた際、ニッコウキスゲはまだ開花前だったが後2週間もすれば一面に咲き乱れるだろうと思われた。
幸いにも3日間共天気に恵まれて春の尾瀬沼や尾瀬ヶ原を歩くことが出来たし久しぶりのテント生活も満喫出来て大満足の山行だった。
旧道には道路工事で失われた岩清水が残っていて美味しい水が飲める
三平峠あたりからは木道が続いていたが、濡れていてとても滑りやすい
尾瀬沼山荘に到着したのでお昼を食べたかったのだが、まだ営業していない様子だった
木々よってはまだ新緑が残るものと濃い夏の色に変わっているものが混じって綺麗だった
沼尻にあったはずの休憩所は基礎の柱だけを残して全て焼失していた
ここから尾瀬ヶ原方向へ向かう
途中ワタスゲの咲く沼地の中にアナグマを見つけた、今年は良くアナグマに出会う年だ
燧小屋でテント泊の手続きをした
ご主人の話を聞くと、見晴新道は今年の夏には開通の見通しだそうでタッチの差で今回は利用できない事が判明、仕方ないので沼尻まで行ってからナデッ窪を登るしかなさそうだった。
このテント場は水洗トイレや水場、洗い場などが隣接してあり快適そのもの
しかも小屋にはお風呂があってテント泊の人も入浴可能だと言うから驚きである
沼尻を左に折れて、いよいよ燧ケ岳へ向かう
青い空に燧ケ岳の柴安嵓、俎嵓の2つのピークが見えた
ここはかなりの急騰コースだが、着実に標高を稼げるので効率は良い
えぐられた様な登山道には長い雪渓が残っていたが既に緩んでいてアイゼンは不要だ
周辺には沢山の花が群落している
木道の周辺にはワタスゲが群落していて何とも言えない牧歌的な雰囲気を醸し出している
ここでも休息場で休む人がいた
恐らく御池登山口から来た人たちだろう
三条の滝へ向かったのだが、ここから250mもの落差を往復する事になるとは
途中で後悔したが後の祭り
だが着いてみると、その滝の素晴らしさにびっくり!!
恐らく落差100mを超えると思われる大滝だった
燧ケ岳を反時計回りに半周してくるとやがて元湯山荘に到着、ここものんびりした良い山荘である
尾瀬ヶ原に戻ると柴安嵓、御池岳、赤ナグレ岳と思われるピークが確認できた
そして燧ケ岳の周回とその素晴らしいワタスゲの路を歩けた事を祝って、生ビールで乾杯
一日歩いた疲れも吹き飛ぶ至福のひと時である
翌朝、燧ケ岳の上に日が昇る
振り返ると尾瀬ヶ原の向こうに至仏山が綺麗に見えた
この辺りはニッコウキスゲの群落地だから、2週間もすると凄い人出となりそうだ
<燧ケ岳周回ルート>