八甲田山BCスキー
2016年4月5-6日 八甲田山BCスキー
仙台の和田さんからメールが届いたのは、各地の雪が少なくてスキーシーズンも早くクローズしそうな雰囲気を感じ始めていた3月末頃だった。
仙台から車1台で八甲田まで遠征するらしい、しかも宿泊先はあの有名な酸ヶ湯温泉である。
突然だったし、神奈川から参加するとなると費用もそれなりにかかるので最初は乗り気でなかったものの、少々考えているうちにとても魅力的な話だと考え直した。
早速返信して問い合わせしてみたところ、何とまだ席が1席空いているとの事、こんな経緯で急遽八甲田山BCスキーへ行くことが決まった。
いざ行ってみれば、2日間共最高の天気に恵まれ、最高のスキー山行となった。
また和田さんを初めとする仙台の仲間たちと美味しい酒を飲み、酸ヶ湯の温泉で英気を養う事が出来た事も良い思い出となった。
遠いので参加するのは大変だが、これからも機会があれば是非東北の山をスキーで滑る機会を作っていきたいと思う。
スキー山行の場合、荷物も多く出来れば車で行きたいところだが、かなりの長距離運転である上に高速代やガソリン代もばかにならない。そこで今回は単身赴任時代の経験を活かして高速バスを利用してみた。
検索してみると都合よく東京駅発仙台行のバスが取れて料金も新幹線の1/3程度と大変安く済んだ。
当日、昔住んでいた所の近くにある地下鉄、泉中央駅で現地参加メンバーと合流し、東北道を一路青森へと向かった。
途中、東北道からは懐かしい山々が次々と現れて思わず気持ちが弾む。
最初に現れたのは栗駒ヶ岳だったが、その大きな山容に見惚れているうちに過ぎ去ってしまい撮影出来なかった。
次に見え始めたのは焼石連邦だった。私にとっては未踏の山々が連なる東北の花の名峰でもある。
その後、岩手の名峰が次々と現れて長いドライブも飽きることなく楽しめた。
一番右に見える安比高原から左側の八幡平へと連なる山々が見え始めた。安比高原スキー場にはまだ十分な雪が残っていそうだった。
青森県に入ると左側にでっかい独立峰が、、岩木山である。
<初日 銅像茶屋ルート>
八甲田ロープウエイ乗り場に到着、平日だというのに駐車場が満杯に近いのには驚いた。
早速、スキーの準備に取り掛かるのだが、皆さんのスキーはみんな目新しく今や私のスキーだけがレトロなデザインだった。
八甲田ロープウエイで山頂公園駅へ。
今年は雪の量が少なく、例年のこの時期に比べても約1mは少ないとの事。
山頂公園駅に到着。
ビーコンの電源をONにしてチェックを完了後、早速出発した。
北西側には陸奥湾の海岸線が見えた。
北八甲田の連山が目の前に見える。手前から赤倉岳、井戸岳、大岳。
真北に見える丸いピークは前岳だ。
今日はこの前岳の肩を経由して向こう側にある銅像茶屋へ下る予定。
まづは赤倉岳方向へトラバースした後、前岳から東側に伸びる尾根へと移り前岳を目指した。
トラバースと若干の登り下りを繰り返すとやがて前岳が目の前まで迫ってきた。
前岳の肩を右へと曲がると林間の急斜面となり、ここを一気に下った。
今日は雪も少なく良く締まっていてまったく問題なかったが、このコースでは2007年の2月には雪崩事故も発生しており厳冬期の深雪時には注意が必要である。
数日前に積雪があったらしくしかも北斜面なので良い雪質を期待していたが、予想に反して表面がやや硬くて滑りにくかった。それでも自然のブナ林の中の滑降は気持ちがいい。
傾斜が無くなった辺りまで下ったところで昼休憩とした。林間で風もなく日が当たると暖かい。
大岳方向から差す日差しで木々の長い影が出来ていた。
大休止の後は、のんびり林間を滑るとやがて銅像茶屋前に到着した。
せっかくだから歩いて銅像を見学してきた。
遭難し直立したまま仮死状態で発見されたと言われる後藤房之助伍長の像。
今夜の宿、酸ヶ湯温泉。
今回は急な企画だったので通常の宿ではなく湯治部屋での宿泊、所謂雑魚寝だが疲れた体を休めるには十分だった。
お決まりの千人風呂で汗を流した後は、通常の宿泊と同様山の幸に加え新鮮な青森の海の幸も味わえた。
差し入れされた山形の日本酒はとても美味しく、ほろ酔い気分ですぐに就寝となった。
<2日目 大岳ー酸ヶ湯温泉ルート>
2日目、昨日同様快晴の朝を迎えて晴れやかな気持ちでロープウエイに乗り込む。
当初は赤倉岳の東側にある箒場岱ルートを下る予定だったが、現地の情報により大岳の南斜面を酸ヶ湯温泉へ下るルートへ変更する事になった。
昨日の雪の状況い対して南斜面の方が適度に緩んでいるだろうとの予測による判断である。
ロープウエイの向こう側の陸奥湾(青森湾)は昨日よりクッキリ見えた。
エビの尻尾とまではいかないが、日によってはまだまだ風の強さを感じさせる跡が見られた。
遠くには空に浮かぶように立派な岩木山が聳えて見えた。今日も最高の天気だ!
我々は赤倉岳方面へ向かい、途中の稜線から昨日とは反対の南東の斜面を一旦下った。
ずっと下の湿原地帯まで下り下りた。
ここでシールを付けて、井戸岳と大岳をバックに記念撮影。
時々雲が通り過ぎて赤倉岳に映る影が早く流れる。どうやら上部は結構風がありそうな気配だ。
着いてみるとなかなか立派な避難小屋だった。ここは風の通り道でかなりの強風が吹いていた。
我々はお昼ご飯を食べようと裏側にある扉を開いたが、2重扉の内側が凍っていて入れなかった。
メンバーの一人が冬季の入り口まで登って中に入って凍った氷を砕いたので漸く室内で休む事ができた。
今回、風が強かったので登らなかった大岳の斜面。スキーの跡が沢山見える。
南側には広大な南八甲田の連山が見渡せた。
ゆっくり昼食を済ませたあと、大岳の西斜面をトラバースして南側の斜面を滑る。
急な斜面を降りて記念撮影。今回の楽しいスキーツアーが終わった。
<今回のツアーの概略ルート>
記憶を基に地図上で作成したルートで、実際のGPSデータではありません。
<銅像ルート>
<八甲田山-大岳ヒュッテ-酸ヶ湯温泉ルート>