利尻島と礼文島の旅(礼文島編・・その➁)

2016年6月7日~11日 利尻島と礼文島の旅(礼文島編・・その➁)

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綺麗な水飛沫をあげて海岸へ落ちる礼文滝

その➁は、「桃岩展望コース」から「礼文滝コース」を続けて歩いた時の話である。

一般的な「桃岩展望コース」の歩き方としてはバスで桃岩展望台入り口まで行き、そこから元地灯台まで行って戻るか、そのまま知床へ抜けてバスで香深へ戻るというのがお勧めだし登りが少なくて歩きやすい。
しかし他のコースと組み合わせて歩こうとすると効率が悪く時間ロスが大き過ぎて勿体ない。

そこで私は逆に知床から桃岩展望台へと向かい、そのままバス通りを下って礼文林道へと入ってレブンウスユキソウの群生地を経て一気に礼文滝まで行くコースを選択した(最後にある地図参照)。
このコースは距離はあるが、行きたい所を一日通して歩けるのである。実際歩いてみてこの島の独特な景色の変化や綺麗な花々を堪能出来て満足感も高かった。

<お願い>
初めての花が沢山あって文中で名前が分からなかったり間違えていたりすると思います。
もし気が付いた方はコメント又はメールで知らせて頂ければ幸いです。

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宿の一番館で朝食を食べた時、隣の席に昨夜遅く入ったらしい若いカップルがいた。
話を聞くと二人は何と利尻島から訪れたそうで、今日は礼文林道を歩くという事だった。
隣の島に住む言わば地元の人でも歩きに来るんだという事にちょっと驚いた。

朝食を済ませ朝一番の(と言っても香深8時35分発だが)知床行バスに乗ると凡そ10分で知床に到着した。
後の行程は島内の南部をぐるっと回って香深フェリーターミナルまで全行程歩きである。
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民家の脇の道を辿ると山道らしい道へと繋がっていた。

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なだらかな丘を暫く登ると背後には知床の村落の向こうに雲に覆われた利尻島が見えてきた。

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暫く進むと桃岩遊歩道の標識があってこの道で正しいことが分かる。

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笹を切り開いて作られた道を登って行き、振り返る。風が強いせいかこの島には高い木が少ない様だ。

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やがて元地灯台に着くと早速ツアー客で賑わっていた。

この辺りから色とりどりの花が見られる様になる。

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元地灯台の向こう側は切り立った崖となっていて、斜面には沢山の花が咲いている。
斜面は水はけが良いし人が立ち入る事も無いので花にとっては居心地が良いのかも知れない。

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狭い遊歩道と言った方が相応しい道の両側には高山植物が咲き乱れている。

本州で言えば北アルプスの高所などで見られる花々が一斉に咲いていて見事だった。

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花に見惚れつつ歩いていくと桃岩と思しき岩と眼下には美しい元地海岸が見えた。

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エゾノハクサンイチゲと桃岩

花畑の中に一株のクロユリを見つけた。上品で気品に満ちたクロユリはひっそりと咲いていて美しかった。
それに対しレブンキンバイソウは周囲の花をも照らそうかと言うほど華やかで明るく優雅な姿で咲き誇っていた。
咲く花の量だけでなくその種類の多さにも驚かされた。

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灯台から桃岩までの中間地点まで来たが、花が多くて中々進めない。

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いよいよ桃岩が近づいてきた頃、歩道から2mほどの距離に咲く自生のレブンアツモリソウを発見した。
そのごく薄い黄色の花は清楚な感じで隠れる様に密集して咲いていて何とも可愛らしかった。

アツモリソウを見つけて気を良くしたところで展望台を後に礼文林道へと向かい始めた。

展望台の駐車場からはツアーの観光客が次々と登ってくる。
私はツアー客を避けながら下っていると、その中の一人が私を指さして「お~っ」と叫ぶのに気が付いた。
何と、テニスクラブで一緒の知人HAさんではないか!!
思わず握手して、短い挨拶を交わして別れたのだった。
実はHAさんとは別の友人2人もこの日の夕方礼文島に着く予定となっていた。
私はその頃稚内へと渡ってしまうのですれ違いとなったが、何とこの日に知り合い4人が夫々礼文島を訪れていたのだった。

そんな出会いの後、私は香深へ繋がるバス道路を礼文林道目指して下り始めた。

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レブンウスユキソウ群生地と書かれた礼文林道の入り口へと入った。

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ここは車も走れる林道だが、道の脇には沢山の花が咲いている。

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山の斜面にびっしりとはえている笹を直線的に刈ってあった。理由は分からないが密集しているので風通しを良くする為なのだろうか?

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林道の道端にはお馴染みの花に加え、レブンシオガマやシラゲキククワガタ、カラフトハナシノブなどの珍しい花が咲いていてとても楽しむ事が出来た。

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レブンウスユキソウの群生地だが、ここではほんの蕾の様な小さなウスユキソウしか発見できなかったので、先を急ぐ事にした。

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下には元地漁港と思われる港が見える。

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海との間には小さな山が沢山立ちはだかる。

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暫く進むと礼文滝への標識が現れた。左に曲がって礼文滝を目指す。

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珍しく林の中の道となったが、この林を抜けると再び草原の様な開けた丘の様な地形となる。

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そこは見事な一面のお花畑だった。深い谷間を流れる細い流れに沿って誰も居ない道が続いている。

沢山の花の中にレブンウスユキソウとレブンアツモリソウを数株発見した。
さっきとは違って、誰も居ないこの道でこの二つの花を発見出来たのはとてもラッキーだった。

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貴重な自生のレブンウスユキソウ

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礼文島固有種であるレブンアツモリソウ。

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清流に沿った道は対岸に行ったり戻ったりしながら続いた。

ここでも大好きなオダマキを始めサクラソウモドキやエゾツツジが咲き乱れている。

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暫くすると前方に海が見えた。

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もう直ぐそこに海が迫って来ていた。

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自然のプールで水を浴びる為、カモメが群がっていた。近づいても全く逃げる気配がない。

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この最後の崖を下れば海岸に降りられそうだ。結局ここまで滝は無かった。

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海岸に降り立つと人の姿はなく、無数のカモメが群がっている。当然、波の音とカモメの声しか聞こえない。

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振り返ると、目の前には先程のカモメが群がっていたプールがら一気に落ちる礼文滝があった。

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小川は小さかったが、滝はかなり豊富な水量でびっくりした。

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入り江の向こう側には元地の漁港が見えた。昔は漁港側から浜伝いにここまで来られたらしいが崖崩れの恐れがある為、現在は通行止めとなっている。

浜からビデオを撮影してみた。

素晴らしいお花畑を経て谷を流れる小川に導かれて下った先の海岸に美しい滝が出現したのだ。
何という素晴らしいシチュエーションなのだろう。このコースを選択して本当に大正解だった。
何時までもこの景色の一部でいたかったが、夕方の稚内行きフェリーに乗らなければならず、重い腰を上げた。

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険しい坂を登って振り返る。

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正に秘境という雰囲気だ。

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帰りの林道から一直線に海を進むフェリーが見えた。

すると向こうから若い二人連れが近づいてくる。
そう、今朝宿で一緒になった利尻からの二人だった。何とこれから礼文滝まで行くのだそうだ。
花が素晴らしいと言うと楽しそうにしながら二人仲良く歩いて行った。
港までの道は車道だからつまらなかったのだが、こんな微笑ましい出会いにこちらの気持ちも楽しくなって気が紛れた。

フェリー乗り場に着くと沢山のツアー客が乗船を待っていてほぼ最後尾に並んだ。
後で聞いたところ、友人二人は私が乗った同じフェリーで稚内から礼文島に着いたそうで、正にすれ違いだったようだ。

稚内で1泊し翌日夕方のフライトで羽田へ帰る予定だが、稚内まで来たのだからと最北端の地である宗谷岬まで行ってみた。
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宗谷本線の終点、稚内駅にて。宗谷岬へのバスは駅のそばから出ていた。

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日本最北端の地と書かれた宗谷岬にて。

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宗谷岬から帰りのバスに乗って稚内方向を見ると、半島の上にでっかい山が聳えている。
地図を見るとそれは正しく利尻富士以外になかった。それにしてもでっかい山に見える。

あ~あの山に登ってきたんだと思うと感慨深いものがある。
それになんて美しいんだろう。行の飛行機から見た利尻富士を見た時の感動がまた蘇った。

山に花に美味しいウニにたっぷり楽しませて貰った。
何時までも忘れられない素敵な山行になった。

利尻島と礼文島の旅(利尻島編)はこちら
利尻島と礼文島の旅(礼文島編・・その➀)はこちら

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<礼文島 桃岩展望コース~礼文滝コースルート>

礼文島桃岩~礼文滝コース

<礼文島 桃岩展望コース~礼文滝コース標高データ>

礼文島桃岩~礼文滝コース標高グラフ

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