2017年7月4-5日 道東の山旅 その3(羅臼岳編)

羅臼岳山頂から見えた雄大な知床連山。

道東の山旅 その3は、羅臼岳の登山記である。

斜里岳を登ったあとウトロの北側にある国民宿舎桂田に宿泊した。この宿から羅臼岳への登山口までは車でわずか20分足らずなので立地的には最適である。
斜里岳同様、登山口には木下小屋という小屋もあったが桂田の場合、オホーツク海に面していて朝夕の景色も期待できそうだし温泉の魅力もあってこちらを選んだのである。

翌日の天気はこの旅行中最も良い予報だった。往復10時間程もかかる予定なのでまたもや早朝から歩き始めたが、思いの他歩き易い登山道だったので快調に進み、午前中の雲の少ない時間帯に山頂へ着く事が出来た。
山頂からは雲海の上に浮かぶ北方領土の島を見る事が出来た。又、北海道らしい花々との出会いに加え、ここでも各地から集まった登山者との交流が出来て楽しい山行になった。

下山後は桂田のベランダからオホーツク海に沈む夕日を眺めながらこの地で採れた海鮮の炉端バイキングを楽しんだ。
翌日は最後の楽しみとして予約しておいた知床半島のクルーズ船に乗って出港したものの、突然の濃霧に阻まれて僅か20分で帰港となってしまった。そこで網走の小清水原生花園へ寄ってみると海岸線に咲く沢山のエゾユリやキスゲ、ハマナスなどの花が楽しめた。

本州が梅雨真っ盛りのこの時期、北海道は比較的晴天で花も盛りとなる。山の素晴らしさもさることながら、食の楽しみや温泉、観光なども楽しめる。
私にとって、この時期の北海道の旅は当面外せない行事になりそうだ。

139-04
北海道の朝は早くから明るくなる。この日も朝3時半頃起きると外は明るくなり始めていた。
支度を整えて車を走らせると知床連山が輝き始めているのが見えて心が逸る。

勤めてゆっくり走ったがそれでも30分足らずでホテル地の涯の駐車場に着いた。
駐車場には数台の車が止まっていて既に登山の準備をする人たちがいた。私も早速登山靴に履き替えるとホテルの裏手にある木下小屋へと向かった。


木下小屋の前に着くと宿泊していたらしい人々が慌ただしく食事をしたり出発の準備をしていた。
小屋の入り口付近でウロウロしていると、ここのご主人と思しき人が記念写真を撮ってくれた。話はしなかったが優しそうな人柄がにじみ出ていた。


小屋の前で登山届を出して歩き始める。最初から鬱蒼とした自然林の中を進んだ。


暫く急登が続き、顔を上げると知床の硫黄山辺りの山々がシルエットで見えた。


オホーツク展望台直前に見えたオホーツク海は静かで白っぽく見えていて空との境目がはっきりしない。


直ぐにオホーツク展望台に着いたが、ここからはあまり展望が利かなかった。


積雪の多さを物語っているのだろうか、白樺が同じ方向に曲がって立っている。


暫く登ると、正面に大きな山が迫ってきた。羅臼岳より北側の山並みだろうと思われるが、その高さを感じてこの先の長い登りが待ち受けているのを覚悟させられる。


少し平坦な道になると極楽平の標識が現れた。名前の通り暫く極楽な道が続く。

道が平坦になると周囲の花を楽しむゆとりが出来た。


更に進むと正面に尖った山が見え始めた。こちらが羅臼岳だろうか。まだ先は長い。


仙人坂に到着すると再びジグザグの登山道が始まる。


銀冷水という水場に到着。まだ水は十分にあったので素通りする。丁度良い場所に水源があるものだ。


ここにはこのコースで唯一のトイレブースが設置されていた。


やがて登山道は大沢の雪渓に続いていた。吹き抜ける風が気持ちいい。


雪渓を暫く登って振り返ると眼下にはオホーツク海が見えた。


海の手前には知床五胡と思われる湖が並んで見える。


エゾコザクラの群生地。

この辺りから高山植物が多くなると撮影が忙しくなって中々進まない。

それでもこの辺りでしか見られない珍しく、そして何とも愛らしいこれらの花々をゆっくり楽しみたい。


平坦な広い場所に出ると、そこは羅臼平だった。


北側には三ツ峰だろうか、知床連山への縦走路はここから始まっていた。


南側を見ると青空のもとで輝く羅臼岳が聳えている。


登ってきた方向を見るとオホーツク海が薄水色に光って見えて綺麗だった。

そこで休んでいる間に、下から登山者がやってきたので挨拶する。
彼は昨日出会った人同様、愛知県から来ていて1か月ほど車で北海道の山を廻っていて、2日間程晴天の日を待って登ってきたそうである。
この素晴らしい天気の日に登れて2日間待った甲斐があったと言う。

ここまで結構大変な登りだったが、あと一息で山頂に到着できると思うと元気が出てきて、二人で山頂を目指して登り始めた。


途中、羅臼町側を見ると雲海が広がっていて、その上から幾つもの山が突出しているのが見えた。
恐らく国後島だろう。


国後島と思われる山並みは知床の更に北側までずっと続いていた。


遥か遠くに尖った山が見えたが、これが国後島の山か択捉島の山なのかどうかまでは分からなかった。


遂に羅臼岳山頂に到着。背後には知床連山が連なり、素晴らしい展望だった。


南側には羅臼湖と知西別岳方面の山が連なる。下にはウトロと羅臼を結ぶ知床横断道路も見えた。


知床連山が幾つかの大きな火口を取り囲むように並んで見えた。


羅臼岳から見た雄大な知床の山々。


山頂に現れたシマリス。すばしっこくて中々撮影出来なかった。


暫くの間、山頂で景色を楽しんでいたが、次々と登山者が登って来たので愛知から来たという人と一緒に下山を開始した。


ここからも知床五胡が良く見えた。今日はあちらからも山頂が良く見えている事だろう。


下山途中、美しい羅臼平が見渡せた。


雪渓を下る。既に雪は柔らかくアイゼンは不要だった。

ここでも山で出会った人と一緒に話をしながら下山する事が出来て楽しかった。
登山歴や家族の事、車を車中泊出来る様に改造して来たこと等、色々な話も聞かせて貰った。
単調な下山路を一人で下ったらさぞ退屈だったに違いない。

下山後、駐車場に戻ると愛知の人に改造車を見せて貰った。バンの荷台を2層構造にしていて下側に寝床が設えてあり、上の段に登山用具や食事の道具などが効率よく並んでいて素晴らしい出来栄えだった。
経験者の談によれば、車中泊で大切なのは寝返りが打てる構造にする事だそうだ。そうでないと疲れが残ってしまうらしい。
この人はこれから利尻島へ渡って最後の登山を楽しむそうなので、お互いの良い旅を願って挨拶して別れた。

私は山頂付近から見えた知床五胡へ行って見ようと更に北へと向かった。


知床五胡から見た羅臼岳。


知床連山は長く連なっていた。この連山を歩くには途中テント泊が必要だ。

そのテント場はヒグマ対策としてテント設営と食料置き場、食事場などを各200m程離れた場所とする様に指導されているとの事だから、単独行の私としては少しリスクが高い。何時か山の友人と訪れる事があればトライしてみたいと思う。

長いと思われたこれらのルートも沢山の高山植物や最高の景色、そして各地から訪れた登山者の人たちとの触合いなどによりあっという間に歩き通す事が出来たし、楽しい山旅となった。

昨夜の宿、桂田に戻りゆっくり汗を流した後はテラスで海鮮バイキングを楽しんだ。

昨夜は曇っていたが今日は晴天だからテラスの最前列に席を貰う事にした。

海鮮焼きながら海を眺めて飲むビールは最高に旨い。

ここの海鮮バイキングは種類も多くとても美味しい。

今日は最後だから贅沢ながら十勝ワインを飲んだ。

そうこうしている内にオホーツクに夕日が沈む。

夕日が最高に綺麗だった。この日宿に訪れていた人たちは全員で撮影大会となる。

隣に居合わせた人も高級カメラで撮影しまくっていて、お互いの写真を見せ合ったりして楽しく過ごした。

太陽が沈んだ後の夕焼け。

今年も北海道へ来て何とも贅沢な旅行を楽しむ事が出来た。

明日は知床観光後、一路関東へと帰るのみである。

139-04

<翌日の観光>

1)観光船ドルフィン

予め予約してあった知床半島クルーズへと向かった。


ウトロの中心街にある観光船案内所。待合室には沢山の人が訪れていた。


港にある奇岩、通称ゴジラ岩の前を通って船着き場へと行く。


これがドルフィン号だ。


勢いよく出港したのだが。


およそ20分で濃霧のため敢無く帰港する羽目になった。大型船も戻ってきた様子。
余りにも何も見えずに帰港となったので料金は全額戻してくれた。良心的である。


仕方なくウトロにある道の駅で昼食に海鮮丼を食べた。

2)網走にある原生花園へ寄る


原生花園駅。原生花園はオホーツク海と濤沸湖の間にあった。


すぐ外側にはオホーツク海がある。


鳴り砂浜だと言うが、あまり鳴っていない様子だった。


一面、エゾスカシユリの群落。このユリは上を向いて咲くのが特徴らしい。


黄色の花はエゾキスゲ。そのほかハマナス、ハマエンドウなどの花が咲いていて綺麗だった。


女満別空港へ行く途中、北海道らしい麦畑が続いていた。

139-04

<今回のルートと所要時間>行動時間:8時間(休息時間含む)

木下小屋(4:15)→弥三吉水(5:35)→極楽平(5:48)→銀冷水(6:38)→羅臼平(7:35-45)→羅臼岳(8:35-9:25)→羅臼平(10:10)→銀冷水(10:40)→木下小屋(12:15)