蝶ヶ岳・常念岳テント縦走(常念岳編)
昨夜の強風で一旦は下山しようと思ったものの、朝日と共に風が収まってきそうだったので常念岳を目指す事にした。
穂高連峰から槍ヶ岳までの景色を眺めながらの稜線歩きはとても気持ちがいい。思わず口笛を吹きながら歩きたくなる様なルンルン気分だったが、常念岳への最後の登りが見えるとその尾根の立派さに気持ちを引き締めさせられる。
しかし、急登をこなせば常念岳山頂からの景色は素晴らしく、360度の展望を楽しむ事が出来た。
強風の中、テントから出ると東の空が赤く染まり始めていた。
大方のテントの中で電気が灯されている。
強風の中、山頂に行ってみると朝日を待つ人たちが集まっていた。
常念岳と大天井岳の上が真っ赤になり始めた。朱色のグラデーションが何とも綺麗だった。
日の当たっていない槍穂高の壁は黒く不気味なほどだ。
やがて雲の間から日が昇ってきた。
この頃から風の勢いが少し和らいで来たので朝食を済ませると常念に向けて歩き始めた。
蝶ヶ岳からの稜線はなだらかな散歩道といった風情。風は強いが今日もまあまあの天気になりそう。
歩き始めると黒かった槍穂高に朝日が当たって美しい緑と白い岩の模様が復活し始めた。
直ぐに横尾からの道との分岐を通過。
槍ヶ岳の穂先が雲の合間からちょこっと顔を出してくれた。
谷間の様な松本の市街地ではまだ薄暗く電気の光が明滅して見える。
のんびりした縦走路に咲く花を愛でながら歩いた。
何故か2592ピークという看板が、、
暫く歩いて蝶ヶ岳方面を振り返った。
前方にはいよいよ常念岳が近づいてくる。
ナナカマドの赤い実が可愛い。
残念な事に槍穂高連峰の尾根伝いにはずっと雲が掛かってしまった。一日中雲が無かった昨日の天気は本当に貴重な日だったのである。
しかし山頂直下に雲を纏った槍ヶ岳も捨てがたく、何とも格好が良いものだ。
槍ヶ岳の姿に見惚れていると何時の間にか常念岳への最後の急坂が目の前に迫っていた。コルの辺りに数人の先行者たちが見えた。
少し腹ごしらえしてから意を決して登り始めた。ゴツゴツした大きな岩の道で重荷を担いだ身には応える。
ゆっくり歩いているせいか先行者の人たちにどんどん遅れを取ったが、時間は十分あるからのんびり行く事にした。
ときおり下界や遠くの山並みを楽しみながら歩いた。
そして遂に常念岳へ到着。
常念岳2857mに登頂。
こちらは常念小屋や大天井岳方面への下降路。
南側の風景。
歩いてきた蝶ヶ岳方面。
目の前にはこれから歩く前常念へ続く尾根が見える。
一旦常念小屋方向へ下ってから南側の前常念を目指した。
岩の間にトウヤクリンドウがポツンと咲いていた。
前常念の尾根から常念岳を振り返る。
歩きにくい岩の道を辛抱強く歩いていると突然こんな標識が現れた。1等三角点なのに何とも寂しい標識だがここが前常念岳山頂らしい。
とても険しい尖った岩の連続でとても疲れる。
歩き易かった蝶ヶ岳の尾根が良く見えた。
この後も下りの割に苦しい下山道が続いた。この尾根は登りも下りも大変だから別の道を選んだ方がベターだ。
昨日通った三股の分岐点に到着するとホット一息つけた。
三股からの帰り道にあったホリデー湯四季の里でお決まりの天ぷら蕎麦を食べる。やはり長野の蕎麦は美味しい。
四季の里の売店でスイカを購入。何でもブランドスイカらしいが訳アリで超お安く購入出来た。
家に帰って食べてみるとこれが素晴らしい味。そう言えば長野はスイカの名産地だそうだ。今度行ったらまた買ってこよう!
今回は久しぶりのテント縦走、強風の洗礼を受けたが総じて天気も良く楽しく歩く事ができた。やはり北アルプスのテント縦走は止められない。
<今回のルートと標高データ>
蝶ヶ岳ヒュッテ(5:30)→旧蝶ヶ岳(6:00)→2592ピーク(6:53)→常念岳(9:10-35)→前常念岳(10:26)→三股(12:40)→三股下駐車場(12:59)
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