笠ヶ岳登山
笠ヶ岳は北アルプスだけでなく各地の多くの山々からも見える位置にあり、またその名の通り笠の様な均整の取れたその美しい姿は、遠くからでも笠ヶ岳だと認識し易い馴染みのある山である。しかし北アルプスの中でも比較的アプローチし易く、他の縦走路などからも独立していて登りやすそうな印象だが、以外にも今もって未登となってしまっていた。その事がずっと気になっていたのだが、その笠ヶ岳に遂に登ってきた。
日帰りで登る人も多いが一般的な新穂高からのルートでも標高差1800mほどもあり結構ハードな登山となる。
正直、コロナ禍で山行回数が減り衰えた体力で日帰りするのは躊躇われたし、今回は久しぶりの北アルプスでもあり、少しゆとりを持って楽しみたいと思い1泊2日での登山を計画した。また、依然コロナ禍の中なので小屋泊りではなくテント泊にする事にした。
前日夕方近く新穂高温泉登山センター近くの無料駐車場に着いた。ここで車中泊して明日早朝に出発する。
明日は暗い中出発予定なので、前日に新穂高温泉登山指導センター付近の道を下見しておいた。
登山届のポストもあるが、私は最近ではCompassで届を出しているので立ち寄る必要はない。
早朝、登山センターからヘッデンを点けて約1時間ほど林道を歩くと笠新道登山口に着いた。
ここの水は旨い、ここで新鮮な水に入れ替える。
急な登山道を暫く登って右手後方を振り向くと朝日が当たり始めた焼岳が、更に後ろに乗鞍岳が見えた。
更に登ると奥穂から西穂高へと連なる山脈が目の前に聳えて見えた。
この連山を縦走していた時、今登っている笠ヶ岳がずっと目の前に見えていた事を思い出す。
槍ヶ岳ほ上部にも朝日が当たり始めてシルエットとなっていた。
更に急登を進むと草付辺りから稜線の上に奇麗な青空が見え始めた。足元には沢山の高山植物が咲いていて癒される。
杓子平に着くと弓折岳から続く稜線が見渡せた。
この辺りはカール状になった地形で沢山の花が咲き乱れている。
笠ヶ岳の山頂直下には大きな雪渓が残っていて肩に小屋も見える。到着にはまだかなりかかりそうだ。
笠ヶ岳分岐付近から見た縦走路。
目の前には槍ヶ岳から南岳の稜線が見える。南側からは少し雲が湧き始めていたが大きな崩れにはならない見込みだ。
更に西側に連なる大キレット、北穂、奥穂へと連なる稜線。
標高が高くなり先ほどより焼岳、乗鞍岳の見え方も違って見えた。
双六方面からの縦走路に出た。ここからの景色も素晴らしく、楽しい稜線歩きが出来そうだ。
双六方面もよく見えた。
抜戸岩を通る。
笠ヶ岳山荘も大きく見え始めた、いよいよ最後の登りが始まる。
笠ヶ岳山荘に到着。ひとまず荷物を置いて山頂へと向かうことにした。
小屋から約15分ほどで山頂に到着。
素晴らしい景色。予想はしていたが期待を遥かに凌ぐ景色が広がっていた。
特に槍穂高の景色があまりにも素晴らしいのでテントの中から一日中眺めて過ごした。
北穂高岳から奥穂高岳、コルに奥穂山荘も見える。今は通行止めとなっているが白出沢の谷合の険しさが凄い、よくこんな所に登山道を作ったものだ。
奥穂山荘から奥穂高岳。道もはっきり見えて登山者が見える様な気さえする。
奥穂高からジャンダルム。ついあの馬の背を通過した時の事を思い出してしまった。
こちらは槍ヶ岳と槍ヶ岳山荘。山荘右側のテント場にもう一度テントを張ってみたい。
景色を見ながら色々なことを思い出して更なる山行へと期待が膨らむ。登っては見た景色、見えた山へと思いが繋がり次の山行へとつながっていくのが私の登山パターンなのだ。
景色を見ていてお腹がすいたので笠ヶ岳山荘まで登り返してラーメンを食べた。山のラーメンは本当においしい。
富士山と南アルプスのシルエットが奇麗だ。
そして槍ヶ岳の左側から朝日が昇った。
山の上で迎える朝の景色は何度見ても感動的だ。
双六や槍ヶ岳、黒部方向へでも行くのだろうか、テント泊していた周囲の人たちは早く出かけていた。今回私は下山するだけだからのんびり朝食を食べてから出発した。
杓子平へ下ると雄大なこの景色も見納めである。
この景色を心に刻んで下山した。
険しい笠新道をひたすら降りて新穂高温泉のゲートへ到着。
ここは飛騨牛で有名なところ、と言うわけで新穂高温泉付近で贅沢ランチを食べた。蕎麦も牛肉も最高!!