乗鞍岳 のんびり春スキー
2011年5月14-15日 乗鞍岳 のんびり春スキー
関東では5月に入って25℃を超える日も増えているなか、峰の原高原の望月さん主催の「乗鞍温泉のんびりツアー」に参加して乗鞍岳で今年最後(?)のスキーを楽しんだ
初日は生憎の天気だったが2日目は朝から晴天に恵まれ、雄大な北アルプス連邦を眺めながら標高3000mの稜線から2000mの三本滝まで一気に滑り降りるのは、ちょっとドキドキするほどダイナミックで爽快な体験となった
14日の朝5時半に平塚から東富士五湖道路を経由して大月から中央高速に入り一路松本に向かった
交通量はそれ程多くなく、順調に走って松本ICからR158で山道に入ると朝日に照らされた新緑が眩しいほど綺麗で、これから始まるスキーツアーへの期待が高まった
梓湖を越えた辺りを左折してR84に入ると、もうそこには殆ど車もなく静かな道が続いた。乗鞍高原温泉を過ぎると更に静かで本当にこの道で良いのだろうかと迷いながらも10時過ぎには待ち合わせ場所の三本滝駐車場に到着した
地元の人の話を聞くと、春を迎えた乗鞍岳の積雪は最近の雨のため、この1週間で激減したそうだ。
集合してみると私とガイド以外は全員女性だった、しかもほとんどが10年選手とのこと
ここから先はゲートが閉じており位ヶ原山荘までは全員バスで移動する
標高2350mの位ヶ原山荘に到着すると下界とは違ってどんより曇り空、乗鞍の上部は黒く厚い雲に覆われていた
今日は遅いスタートだから、元々山頂までは行かず中腹まで登って軽く滑る計画だったのだが、登るにつれて真冬の様な寒さになり2500m程まで登ると強風な上に雪が降って来たので、早々に引き揚げて温泉三昧しょうという事になった
それでも2時間程の登りのあと、ウインドクラストして波打っているカチカチの雪面を滑るのは結構ハードで、スキーがバタついて力が入り過ぎるのか直ぐに筋肉が硬直してしまう
これで明日3000mの頂上まで登って頂上直下を滑降出来るのだろうか、、ふと不安がよぎる
今夜の宿泊は 「白い天然温泉の宿 福島屋」
宿に着くと、まだ桜が5分咲きだった
宿の全景
温泉は真っ白で湯の花がいっぱいの硫黄泉
疲れた体に滲みる~
本当に気持ちいい~
そして山菜の天ぷらや鴨の料理でお腹いっぱいに
この日は夜遅くまでスキーの話やら映画「岳」や自転車などの話で盛り上がった
翌日、朝早く起きて外に出てみると
白い乗鞍岳の上には真っ青な空が広がっていて、思わず嬉しくなった
宿の前から見た乗鞍岳
剣が峰は青空に突き刺さる様に尖って見えた
三本滝駐車場から8時20分の始発のバスに乗って位ヶ原山荘に向かう
晴天の為か始発のバス4台はほぼ満杯状態だった
料金は片道1200円だ
隣の席に座った地元の若者ボーダー君
初めて訪れてみたのだが、最高の天気に恵まれて本当に良かったと言う
私だって遥々来たのだからと、気合が入る(笑)
位ヶ原山荘
山荘から見た乗鞍岳が眩しい
ここでスキーにシールを付けてザックに取り付けた
車道を少し歩いた先から右の急斜面を一列になって登り始めた
かなりの急斜面をキックステップで30分程登り、斜度が緩んだ所でシール登行に切り換えた
展望が開けると乗鞍岳が目の前に迫る
雪の白さと空の青さが眩しいほどだ
這松の陰でバスで隣り合わせた若者が休んでいた
お互い挨拶する
こんな出会いも嬉しいものだ
更に30分程進んだところにある避難小屋前で小休止
昨日のカリカリ雪登山の為か、足どりが重い
正面のピークは左鞍部に肩の小屋がある摩利支天岳
沢山の人が登っていて、まるで蟻んこの行列の様に見える
左が剣が峰、右が朝日岳
まずは肩の小屋の鞍部に出て稜線を朝日岳と剣が峰の鞍部に向かう
稜線から肩の小屋を振り返る
摩利支天岳の頂上には宇宙線研究所の建物とドームが見えた
写真では分かりにくいが、この登りが最高にきつかった
斜度がきついのでつぼ足に変更して登った
ボーダーの人もアイゼンとピッケルで登っている
約3時間で頂上直下の肩に到着、正面は剣が峰だ
時間は短かったけど結構大変だった、お疲れ様でした~ と、お互いを労う
振り返ると、そこには絶景が広がっていた
目の前に槍ヶ岳から穂高連邦が見える
何時見ても美しい穂高
槍の西鎌尾根から双六、鷲羽方面
奥には薬師岳が薄ら見えた
雄大な景色の中を次々と登って来るスキーヤー
隣りの朝日岳
素晴らしい景観に見とれる登山者
分かるな~その気持ち!!
ここはスキーヤーだけのものではない
多くの登山者も訪れていた
スキーで来ると、やはり気持ちは「滑り」に向きがちだが
やっぱり山を楽しむ気持ちの方が遥かに大きい
ツアーはここから滑降開始の予定だったが
希望者だけ募って、つぼ足で剣が峰に向かった
剣が峰に登って南側に出ると目の前に御嶽山が聳えていた
どっしりとした巨大な山容に見惚れる
剣が峰にて
いよいよ約3000mの稜線から滑降が始まる
急斜面を順番に滑った
横から撮って貰った初めての滑降シーン
あっという間に中腹まで滑り下りた
雪は適度に緩んでとても滑りやすい
と言っても登りで疲れた足が思う様に動かず、何度かこけたのだが
振り返ると滑って来た雪面が光っていた
這松帯から樹林帯を抜けて
最後はつぼ足ですたこらサッサと駆け下った
昨年は腰痛、今年は地震で思う様には滑れなかったが
何とか無事に滑れた事に感謝しよう