平ヶ岳&会津駒ケ岳(平ヶ岳編)

長い稜線を歩いて漸く池ノ岳まで来ると沢山の池塘の向こうには、その名に相応しい平たい山容の平ヶ岳が見えてきた。

今年は上越方面へ足繁く通い多くの素晴らしい山々との出会いに気を良くしていたが、その中でも最も奥深くてアプローチが困難と言われるのが平ヶ岳である。

前回、越後駒ケ岳に登った時に初めて新潟側から奥只見の入口付近に足を踏み入れたが、道路は開通してはいるもののこんな所で立ち往生しようものなら命の危険も覚悟しなければならない程の深山だと感じたと言うのは少し言い過ぎだろうか?

平ヶ岳へアプローチしようと思えば、更に奥只見の最深部を通るか福島の会津より桧枝岐経由で延々と辿り着く以外に方法はない。しかし、越後駒側から見た奥只見周辺の山並みの素晴らしさや福島で未踏となっている会津駒ケ岳へ登りたいとの思いから、新潟から奥只見湖経て平ヶ岳に登り、帰りは桧枝岐へ出て会津駒ケ岳に登って福島側へと周回するという大胆な山行計画を立てた。

既に秋も深まり始め、どうせなら紅葉の時期にとも思ったが平ヶ岳登山の11時間以上といわれる所要時間を考えると早い方がベターだと思い、直近で天気が良い日を選んで即決行する事にした。この点、単独行は決断、即実行が出来て楽である。

まずは新潟からアプローチした平ヶ岳登山の話から始めよう。

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新潟側からは前回の越後駒ケ岳で経験済みなので迷いはない。関越自動車道の小出ICからR352で銀山平経由で奥只見湖の周囲を通って鷹巣登山口まで約22km走った。

平ヶ岳登山は前述の通り11時間程もかかるので鷹巣登山口で車中泊し、早朝から登る事にしていた。

奥只見湖まで来ると車の往来は少なく深い木々に覆われた湖周辺には殆ど人が立ち入れる感じがしない。

しかし道は細く曲がりくねっていてスピードは出せないが良く整備されていた。時間が掛かったが夕方に鷹巣登山口に着くと、十数台程の駐車場があって既に数台の車が停車していた。何れも人の気配はなく、夕刻だがまだ登山中なのだろうと思われた。

暗くなり始めた頃、下山してきた隣の車の人に話しかけてみると正に早朝から登り始めたが時間が掛かって大変だったが天気は良くいい山だったと話してくれた。

鷹巣登山口は周囲を山に囲まれた谷間にあるので日が暮れると真っ暗闇になった。明日も天気は良い予報なので早めに就寝する事にした。

早朝5時頃に出発、暗くて手振れしてしまったが、登山口には大きな看板が立っている。

最近では登山届はCompassで電子提出しており、忙しい出発時に時間を取られない。又、下山予定時刻を大幅に過ぎると緊急連絡先へメールが届くので安心である。

直ぐに小さな小川を渡った。

その後、急登が始まると先に先行者が居る事に気が付く。

日の出前だが東の尾根の上が明るくなり始めた。

途中、燧ヶ山が目の前に見えた。山頂に傘雲が掛かっていた。

平ヶ岳への登山ルートからはずっと美しい燧ケ岳が見えていた。

2時間程も稜線を歩いていると突然下台倉山の標識が現れた。この先には台倉山があるはずだ。

あのピークが台倉山だろうか、右側はるか向こうに見えるのが平ヶ岳だとするとまだまだ遥か先だ。

台倉山を過ぎるといよいよ平ヶ岳らしき山容が見えてきた、まあるく嫋やかな優しい山容に見惚れた。

直ぐに台倉清水に着いた。水場だが新鮮そうに見えず通過した。

この辺は既に花も少なく、リンドウの蕾があってホットする。

幾つもの小ピークを過ぎて行く。

4時間以上も歩いてきたが、目的地の平ヶ岳にだいぶ近づいた。

歩き始めて4時間半、池ノ岳に到着。山頂には大きな池糖が沢山あった。

山頂の池糖の先には漸く平ヶ岳が手の届く距離に見えた。

早速木道を一旦下って平ヶ岳へ向かう頃、沢山の人達とすれ違ってビックリした。出発した登山口からはそれ程多くの人は登っていないはずだし、余程早く出発しなければならなかったはず。

パーティの人に聞くと理由が分かった。平ヶ岳の北側にある中ノ岐登山口からのルートで銀山平の宿の宿泊者限定で登る事が出来、通常ルートの約半分の時間で登れるとの事。通りでこんなに早く来れたのだと納得。まあ今まで私が歩いてきた台倉山を経由するルートが特別に良い景色だとか素晴らしい道だとは感じられなかったので銀山平での宿泊も楽しめるのであれば良い選択肢なのかも知れない。

池ノ岳を過ぎて振り返る。一旦平らな草原の道となった。

コル状の草原を横切って登り返すと山頂付近の一部の木々が赤く紅葉しているのが見えた。

10時、遂に平ヶ岳山頂に到着。思っていたより少しだけ早く着く事が出来た。

こちらは至仏山、影に隠れて見えるのは武尊山だろうか、日光白根方面の山並みも見えた。

山頂は文字通り平らで、この先通行禁止の立て札が立っていた。霧などの悪条件下で反対側へ迷い込むのを防ぐためだろうか。

ここは大昔は大平原だったものが隆起してその形を留めた地形だそうで、そう言えば上信越には巻機山、苗場山なども山頂に同じような平らな地形が残っていたのを思い出す。

燧ケ岳は違って見える。

至仏山方面。

北側には新潟の山並みが見えた。

少し早めに着いた分山頂付近でゆっくりし出来たが、そろそろ下山する事にした。

石楠花の木や松の間に真っ赤に紅葉した木々が散らばってとても綺麗だった。

帰路の途中、折角なので玉子石を見に居てみる事にした。いい景色の中しゃがんで撮影している人が居る。

玉子石と池塘の風景。素晴らしい景色が見られて良かった。

暫く一人で玉子石の風景を見た後、先は長いので気を入れて引き返す。

途中、奥只見湖が見える場所があった。

越後三山方面。

池ノ岳からの下山路、これからが長い。

台倉山あたりから平ヶ岳を振り返る。

終始見え隠れして楽しませてくれた燧ケ岳。

ここまで来ればあと一息だ。

ここを下り切れば登山口。

15時、登山口に無事帰着。予定より少し早く着いて良かった。

とても良い山だったがやはり行程は長く疲れた。早速、Compassで下山通知を出し今夜の宿泊地桧枝岐村へと向かった。

2日目の平ヶ岳&会津駒ケ岳(会津駒ケ岳編)はこちら

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<今回歩いたGPSデータ>

平ヶ岳周辺でデータの乱れがあるのは、今回長丁場が予測されたので初めてGPSの設定を荒い間欠測定に変えた為だったらしい。

山深くもありGPSデータが正確に補足できなかったので、今後は設定を戻す事にした。

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