2011年1月3-4日 上高地 初めてのスノーシュートレッキング

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昨年末、たまたま見つけたスノーシューツアーに期限ギリギリで申し込んだところ運良くOKだったので、今年の初山行として上高地を初めてのスノーシューを履いて歩いてきた
上高地は例年に無く雪が少ないそうだが、快晴の冬空のもと焼岳や穂高を見ながら林間の新雪の上を歩くのはとても楽しく時が過ぎるのを忘れてしまうほどであった
スノーシューは持っていないのでレンタルしたのだが、フワッとした何とも不思議な感触が堪らなく楽しい体験となった

厳冬期の上高地は本来人が立ち入る時期では無いのだが、古く非難小屋として歴史のある大正池ホテルは年始の一時のみ宿泊客の受入れを認められているらしく、通常とは違う相部屋での宿泊とは言え従業員の方々も親切かつ設備も充実しており、とても快適な一夜を過ごす事が出来た

1月3日の早朝、私は暖かい快晴の正月にも関わらず大仰な身なりで電車に乗った
松本から松本電鉄に乗り換え約30分で集合場所である新島々まで行き、そこからタクシーに分乗して釜トンネルに向かった
山岳路に入っても路面に雪はなく、タクシーの運転手さんの撮った北アルプスの写真集を見ながら走ると1時間もしない内に釜トンネルの入り口に到着した

本当は車で来る予定だったのだが、日本海側で大雪が降っているとの報道があった事に加え、先々週の峰の原高原でのツルツルの路面凍結を思い出して直前に急遽電車に切り替えたのに、現実は来てみないと分からないものだ。釜トンネルは約1.3Kmの単調な登りで、暗いので皆ヘッドランプを付けて歩いた

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トンネルを抜けると雪の斜面に鮮明な動物の足跡が・・・
この2個の足跡が規則的に並んでいる足跡の主は「テン」だとの事
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白樺とダケカンバの入り混じった林道
ここ上高地は標高約1500m、丁度白樺とダケカンバの植生が入れ替わる高さだという
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峠を越えて下りに転じると、大正池はもうすぐそこだ
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約1時間で大正池に到着、素晴らしい青空と絶景が待っていた!!

穂高の稜線は雲に隠れていて残念だが、素晴らしいその姿にただただ感動・・・
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湖畔の右側に立つ建物が今夜の宿、大正池ホテル
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脳裏に焼きついていた大正池の風景を再現してみる

流石に昔より立ち枯れの木はかなり少ない感じがした
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ホテルに到着後、湖畔にて
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雲が動く度、見え隠れする西穂の稜線
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西穂~焼岳に続く稜線は雪というより霧氷で真っ白
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雄大な雪渓が岳沢から上高地へと続く

化粧柳の美しい樹林と穂高から流れ落ちる白い雪渓、雪が少ないぶん色々な色が混在して何とも美しい
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明神岳と前穂高岳
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岸辺でまどろむ鴨たち

時間もたっぷりあるので、ずっと絶景に見惚れて過ごした
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低くなった日によってできた輝きと陰影、何と美しいのだろう
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稜線から扇沢、岳沢へ落ちる迫力ある壁をズームしてみる
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更にズームしてみると、左上から中央に下る大きな尾根の直下に小さな小屋が見えた
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これは上の写真をトリミングして拡大したもの
昨年再建された岳沢小屋ではないだろうか、大小の2棟がはっきり写っていた
岳沢小屋であれば、本当は3棟あるはずだが、雪に備えて解体されたのだろうか
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こうして見上げると、とても自分には登れそうにない高みにも思えた
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立派なホテルの前景
ここで、初めてのスノーシューを履いて練習に出かけた
新雪の上ではフワフワして楽しく、硬い傾斜を歩いても下部についたアイゼンの様な歯で安定感があった
何だかはまりそうな楽しい感覚・・・・
歩いている内に森の中で沢山の足跡を見つけた
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これも「テン」の足跡、テンが多いのか?
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これは「つがいのリス」の足跡で木の上からこちらに向かっている
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これは今年の干支「ウサギ」の足跡、何となく「ムンクの叫び」に見える
時が経つのも忘れて歩き回っていた頃、山は夕日に染まり始めていた
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焼岳はその姿を静かに湖面に映していた
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風もなく暖かい、憬れていた上高地の景色を堪能して一日が終わる
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ホテルの部屋の窓から見た大正池

二日目の朝、
晴天を期待して早くから起き出して湖畔に出てみたら
期待が外れて曇りだ・・・ちょっとがっかり
流石にマイナス12℃くらいまで冷え込んで周辺の木々にも霧氷が付いていた

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早起きしてこんなモノクロの世界を見るのも良いものだ
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皆さん撮影機材を持ち出して朝日の撮影準備に余念がない、、
しかしとても寒い、暗いのに自分は手持ち撮影だからかなり条件が厳しかった

この後、朝ごはんを食べて全員で歩き出した
暫く歩いている内に、何と朝日が出てきて山が輝きだした!

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こうなると歩みにもリズムが出てくる
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凍りついた木の枝も朝日を受けて結晶が見えるようだ
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田代湿原の縁に出ると待望の穂高の稜線が見えた!
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奥穂高岳
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天狗岩、西穂高岳
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明神岳、前穂高岳
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吊り尾根の上の青い空が眩しかった
今日は全てがクッキリ、最高の幸せだ!!
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穂高をバックに記念撮影
また小さな足跡発見!
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小さいほうが「オコジョ?」、大きいのは「テン」

恐らくテンがオコジョを追って行ったのではないか、という噂だった・・・自然の摂理は厳しい
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青く澄んだ梓川の辺を歩く
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このカーブを過ぎれば河童橋がある

でもやっぱり山の天気だ、あっという間に雲行きが怪しくなってきた、、
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河童橋に到着、橋も新しくて何だか初めて来たところの様だ
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この後、雪が降り始め風も出てきたので急いで昼食を食べて引き返した
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すっかり寒くなった上高地を歩いて大正池まで来ると、氷の上に雪が積もって綺麗だった

冬季の上高地は初めてだったが、天気にも恵まれて予想以上に素晴らしかった、特に初めてだったスノーシューは経験者と一緒に歩けた事も参考になりとても楽しめた。又、この時期はたとえ観光地とはいえ冬山の装備と覚悟が必要だったが、ツアーに参加したことで地元のガイドさんの楽しい話を聞きながら安心して歩けて正解だったと思う。今回のガイドさんは地元松本出身の人で、山で守るべきマナーや安全に関する知識も織り交ぜて説明してくれ、その言葉には地元の山に対する思いと畏敬の念が感じられてとても好感が持てたのだった。

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帰りの車窓から見えた燕岳と合戦尾根

一昨年のクリスマスに登った燕岳を思い出だしながら帰途に着いた・・・

追記:
我々は知らなかったのだが、初日の夜夕食を食べた後だから19時過ぎころに遭難騒ぎがあったらしい。70歳位の人が上高地から西穂高に登ろうとして遭難し救助を求めてきたので、現地にいたホテルの関係者とガイドさんが駆り出されて捜索し、夜遅く上高地まで下ってきた遭難者を見つけて救助したそうだ。その人は上高地に入ってから天気があまりに良いので登れる気がして急遽登ったらしく、装備にも問題があったとのことだ。

遭難した人にどんな事情があったかは分からないが、急遽駆り出されて冬の夜、救助に向かうガイドさんたちもさぞ大変だったろう。自分がそうならない様にするにはどうすべきか、、今回は素晴らしい上高地を体験した一方で色々な事を考えさせられる山行でもあった。