2013年8月9~13日  奥穂高~西穂高~焼岳テント従走(奥穂高岳~西穂高岳編)

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朝日を受けるジャンダルム

<今回歩いたルートと時間>
8月9日 : 上高地バスターミナル(12:30)~横尾(16:00) 泊
8月10日: 横尾(5:10)~本谷橋(6:20)~涸沢小屋(9:15発)~奥穂山荘(12:00) 泊
8月11日:奥穂山荘(5:15)~奥穂(6:15)~ジャンダルム(7:00)~天狗コル(8:40)~天狗岳(9:20)~西穂(12:15)~独標(14:00)~西穂山荘(15:15) 泊
8月12日: 西穂山荘(6:45)~焼岳小屋(10:15)~焼岳(11:45)~中の湯(15:30) 泊
8月13日: 上高地散策後バスにて帰京

山に入って3日目、清々しい朝日を浴びながら奥穂高岳に向かってスタートを切った
いよいよ核心ルートに突入する日が来たのだ
ワクワクする気持ちと共に若干の緊張感を持って歩き始めた
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常念岳の右側から日の出が始まった
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赤く染まり始めた奥穂と前穂高岳
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奥穂の壁に登る途中で背後を振り返ると

眼下には奥穂と涸沢岳の間の狭いコルに立つ奥穂山荘とテント場が見えた
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北側を見ると笠ヶ岳も朝日に照れされ始めている
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登るにつれて双六岳や黒部五郎岳も姿を現す
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そして槍ヶ岳はまたしてもその美しい姿を見せてくれた

穂高岳側から見た槍ヶ岳はいつ見ても凛々しい姿だ
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こちらは昨年歩いた前穂へのルート
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西側遠方には乗鞍岳と御嶽山の姿も確認できた
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そして手前には今日歩くルート全体が見える

さあ出発という時には、些かの不安も消え去っていた
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馬ノ背方向に踏み出すと、前方に先行者の姿が見える
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左手には夜明けを迎えようとする岳沢と上高地が見えた
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馬ノ背に向かう
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今にも崩れそうな瓦礫の山を前に立つ

馬ノ背は高度感がある上に、下り基調の尖った岩の先端を辿る
真ん中辺りで四つん這いになり長野側から飛騨側に乗越そうとした時
装備の重さで僅かながら飛騨側に振り子の様に振られた
垂直方向だけでなく回転方向への注意も怠らない様にしなければならない
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とんでもないところにペンキの矢印が付いている

怯まず進んでこの壁を越えたあと
ジャンダルムの左側をトラバースしたところで
ザックをデポして空身でジャンダルムに登った

頂上には既に男女4人のパーティが休んでいた
この高みに立った人たちはみな歓声をあげながら景色を楽しんだ
遮るものはなにもない
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ジャンダルムから見た奥穂方面
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右手下部に奥穂山荘、北穂から槍ヶ岳までの絶景が見渡せる
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通過したばかりのロバの耳

肩口に数人のパーティが取り付いている
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進路方向に天狗の頭、西穂方面への稜線が続く
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槍ヶ岳をバックにジャンダルムのオブジェを撮影して頂上を後にした
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ジャンダルムを振り返ると既に次のパーティの人たちが立っていてここまで歓声が聞こえる
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コブ尾根の頭付近を通過中
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右側がスパッと切れた断崖の向こうには新穂高温泉や笠ヶ岳が見えた

手を伸ばせば届きそうなほどだ
午前9時ころ天狗のコルを通過して漸く問題の天狗の頭へ到達した
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天狗の頭から間ノ岳、西穂方向を望む

この辺りまで来ると少しずつ疲れも出てくる
上高地で注意されたおじさんの言葉を思い出して
この後の下りも慎重に降りなければならない

しかしそういう思いと共に
大展望の中、こんな天空の岩山を歩く事が何とも楽しかった
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間ノ岳
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間ノ岳の下り斜面は滑りやすいスラム状の岩場だった

ここで足を滑らせれば一気に滑落しそうな危険な斜面であるが
注意を怠らなければ問題ない
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通過した後、少し離れたところで振り返る

自然が作る造形美、どうやったらこんな岩の重なりが出来るのだろうか
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前方を見ると次のピークが待ち構えていた

標高差は100m程もあるだろうか、特に落石に注意が必要な箇所だ
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足元を見るとミヤマダイコンソウが咲いていた
なによりもホットする瞬間だ
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ピーク上部から振り返ると背後には雲が迫ってきていた

そう言えば、既に12時頃だから雲が発生してもおかしくない時間帯だ
出発してから既に約7時間が過ぎていた
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更に進むと前方に西穂高岳が見えてくる

足下には小さな花たちが咲いている
漸く、危険な従走路も終わりとなるのだと思った
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ヤマリンドウ
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アカモノ?

しかし、西穂の頂上付近までくると上から待ったがかかった
負傷者が居て、もうすぐヘリが救出に来るらしい
頂上は狭いので危険を回避するため、直下で待機しろとのことだ

我々は直下と言っても5m程下の這い松の影でヘリを待った
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直ぐに到来したヘリ

ヘリは一度接近し、ロープで救助隊員1人を下ろすと一旦山から遠く離れた
隊員は、頂上にいた怪我人にハーネスらしき物をセットし
彼の荷物と共に待機した

怪我人は若い男性で見た目は元気そうに見えた
後で聞いた話なので正確な事は不明だが
この人は下半身に落石を受けて頂上に数時間も居たそうである
通りかかった人が県警の知り合いらしく、救助を要請した模様だ

本人に聞いてみなければ真意は不明だが
落石で足を怪我したなら事故の後、頂上までは歩いたはずである
だから自力で下山出来ないかと、相当悩んでいたのではないだろうか
もし自分だったらやはり悩むに違いない

しかし現実には西穂山荘に戻るにしても怪我した足では無理である
急に雲が発生し始める中、救助活動に支障をきたす前に救出されて本当に良かった
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再び飛来した岐阜県警のヘリ
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怪我人を救助した後、荷物と共に引き上げられる救助隊員

再度飛来して二人を引揚げて救助完了、この間僅か2分足らずだった
岐阜県警の救助隊の迅速な行動は、そこに居た全ての人に感動を与えた

<この時の動画> (画質は非常に悪いです)

勿論、我々登山者はこの様な事態にならない様に
細心の注意を払うべきであるのは言うまでもないが
不可抗力な事故は十分ありうるのだから
出来る限り客観的な判断と早い決断が重要だろう

我々も西穂頂上でしばらく休んだ後、西穂高山荘に向けて出発した
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トウヤクリンドウ

だが西穂の下りもかなり険しい岩場が続いた
これまで7時間も緊張する岩場を歩いてきた為か足どりは重く
落石を発生させない様に慎重にゆっくりしか進めなかった
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漸くピラミッドピークに到着
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左 眼下には岳沢小屋が見えた
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独標を過ぎると一般従走路になった

危険な道は脱したがまだまだ西穂山荘は遠い
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つがいのライチョウを発見して少し和む
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丸山を過ぎて振り返れば綺麗な稜線が続いている

此処まで来れば目的地はもうすぐそこだ
今までの道のりを思い出しながら、急がずゆっくり歩いた
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西穂山荘に到着
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早速テン場に場所を確保してテントを張った

到着時間が遅かったので、残念ながら西穂名物のラーメンは食べられなかったが
祝杯を上げたのは言うまでもない
一杯の生ビールの美味しさを感じながら目標を達成した嬉しさが込み上げてくる

正直なところ、自分にとってテントを背負ってこのルートを従走するのは
年齢的にも体力的にもギリギリだったと思う
こんな岩場はテントに拘らずに軽量荷物で歩けばより軽快に楽しめたかも知れない

上高地でおじさんから受けたアドバイスにより細心の注意を払って歩き通せたこと
何より天候が安定していて終始晴天に恵まれた事はとてもラッキーだった
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