白峰三山(後編)
2011年8月27-29日 白峰三山(後編) 同行者:S脇君
<今回のコースと時間>
1日目(8月27日):奈良田(9:10)-バス-広河原(10:00)→大樺沢二俣(右俣コースへ)→小太郎山分岐(14:40)→北岳肩の小屋(15:30) 泊
2日目(8月28日):北岳肩の小屋(6:00)→北岳(6:35-7:10)→北岳山荘(8:05)→中白峰(8:50)→間ノ岳(10:05)→農鳥小屋(11:10)→農鳥岳(13:15)→大門沢下降点(14:00)→大門沢小屋(16:30) 泊
3日目(8月29日):大門沢小屋(6:15)→奈良田(9:30) 奈良田の里温泉入浴後、本栖湖経由で帰る
素晴らしかった北岳山頂を後にして、間ノ岳、農鳥岳を経由して大門沢へと向かった
頂上付近に花は少なかったが、それでもこんな花に出会えた
1時間ほど下ると北岳山荘に到着した
北岳山荘は近代的な黒く大きな立派な小屋だった
特にトイレは冷蔵庫の様な扉がついた凄く綺麗なのには驚いた
小屋でビールを飲んだあと外に出ると、出発準備をしている年配の二人連れに遭遇
挨拶した際、一人の腕には「パトロール」という文字が書かれた腕章が付けられている事に気付き
何の腕章かと思ったが、この時はそれ以上の言葉は交わさずに我々も出発したのだった
実際は40分程の登りだったが、中白峰への登りは結構ハードで辛かった
それでも頑張って漸く中白峰の頂上に着くと、そこに若いカップルが休んでいた
今回のルートではこんなカップルの姿がとても目についたのだが、
中には女性の方がかなり早く、男性が後から一生懸命ついていく姿も見られ
最近の世相を反映している様でもあり、微笑ましくも思えた
因みに我々も途中でこの女性に抜かされたのだった・・・
中白峰にて 若い二人がこれから歩く縦走路を見ていた
千切れた雲が面白い
間ノ岳は雲に隠れていた
縦走路に沢山生えていたトウヤクリンドウ
険しい縦走路が続く
間ノ岳を過ぎて20分程下ると前方のコルに農鳥小屋の赤い屋根が見え始めた
尾根の左側は雲で埋まっている
農鳥岳に続く稜線左側に柔らかい曲線を描くカール
今回の縦走路の中でもこの辺りが最も雄大で美しいと感じられた
晴れていて雲が無ければもっと素晴らしい景色が見られたに違いない
ここまでの約5時間、お昼にはまだ早かったがかなり疲れてきたしお腹も空いていたから、
農鳥小屋に着いたら休憩しようと話していたのだが、、、
小屋の近くまで来ると小屋から若い人が出てきた
今日は何処から来て今夜は何処に泊まるのか訊ねられた
肩の小屋を6時に出発して、大門沢小屋まで行くと答えたところ、
標準時間よりやや遅いペースだから、急いだ方がいいとアドバイスしてくれた
大門沢は東面にあるので夕暮れ時には早く暗くなるから危険らしい、、
そのうち小屋の主人も出てきて同じ様に言われると、もはやここで休んでは居られなかった
仕方なくそそくさと出発したのだったが、
農鳥岳の登りはこれまた厳しくて、小屋が小さく見える頃には我慢が出来ずに昼食を食べることにした
西農鳥岳でも二十歳代と思しき若いカップルが昼食を食べていた
我々も小休止していると、男性にこの後の行程の険しさ具合を訊ねられた・・・
答えに詰まったが、あまり楽観視は出来ないと思うと答えて先に出発した
農鳥岳に到着
実際に西農鳥と農鳥岳の間はアップダウンが大きくてゴーロの道が続いていた
こんな場所は距離の割りに思いのほか時間がかかる
農鳥岳を過ぎて下降点と書かれた場所を左に折れると、道はなだらかで静かな這松帯となった
この辺りは冬場は積雪が多くて広い地形だから道迷いが心配される場所だと思われた
暫く進むと、遥か前方に大門沢への下降点を示す大きな標識が見えた
14時、大門沢への下降を開始、
これなら何とか日がかげる前には大門沢小屋に着けるだろう
大門沢への道はかなりの急坂で嫌になるほど長かったが、
途中から色々な花が咲いていて楽しめたことが救いだった
16時半、長い縦走を終えてヘロヘロ状態で大門沢小屋に着いた
小屋の受付を済ますと、
小屋の前のベンチでは北岳山荘で会った「パトロール」の腕章を付けたお二人が休んでいた
お話を聞くと、二人は山梨県の山岳団体に所属していて、
この山域の花の状況を確認したり盗掘をされない様にパトロールする役目なのだそうだ
珍しい花がある場所で僅かに見られたものの、最近ではかなり少なくなっていて残念だと言っておられた
何とお二人は60才代、70才代との事
同じコースを花の観察をしながら、しかも我々より早く到着していた事に驚いたのだった
日頃からの鍛錬の違いだろう・・・(汗)
驚いた事と言えば、もう一つ
我々のあと西農鳥で会った若いカップルも到着し、そのまま下山したと聞いてもっと驚いたのだ
17時前に出たとしても奈良田に着くには3時間程かかるのだから途中から真っ暗になるはずだ
誰も止めなかったのだろうか、それとも振り切って行ってしまったのかは定かではないが、、、
若いとは言え危険な行動だと言わざるを得ない
私などは行けと言われても、歩くのが限界でもはや行けなかったに違いない
それにしても大門沢小屋は、ゆったりしていて暖かく快適だった
<3日目>
朝焼けの富士山
皮肉にも下山日の今日は快晴だった
ゆっくり朝食を食べてから一番遅く出発した
大門沢の流れは朝日に輝いて綺麗だったが、途中道が曖昧な所や渡渉点を探す場面もあった
橋は濡れていて滑りやすかった
昨日の雨のためか流れは激しい
こんな橋も
昨日遅く下山した二人は、暗い中どうやって渡渉したり橋を渡って行ったのだろうか
そう思うと心配にもなったが、遭難騒ぎになっていないのだから無事乗り越えたのだろう
登山道はさながら渓流の様になっていた
苔むした森林
朝日が差し込んで美しい
水力発電所に架かる吊橋
何と紫陽花の花が咲いていてびっくりした
林道に出ると、先に出発した山岳パトロールの二人が和田河原行きのバスを待っていた
挨拶して別れたあと、林道をひたすら奈良田に向かって歩いた
奈良田の里にある板葺き石置き屋根の民家(文化財)
帰る前に奈良田の里温泉で汗を流した
温泉は透明でぬるっとした泉質でとても温泉らしいお湯が気持ちが良かった
温泉のあと、北岳の花がとても素晴らしかったから、
今度来るなら花の時期に八本歯のコル側から登り、北岳山荘に泊まって北岳を周回した後、
小太郎山に寄って下山する案などについて話しながら帰路についた
<お願い>
花の名前が間違っている場合、或いは不明のものについて
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