仙丈ヶ岳~塩見岳縦走
2014年9月12-15日 仙丈ヶ岳~塩見岳縦走
スイスから帰ったばかりだが、予てから登りたかった塩見岳縦走のお誘いに抗しきれず快諾してしまった
誘ったのは当然、南アルプス大好き人間のS脇君だ
しかも今回の計画は、
仙流荘隣の大駐車場へ車を置き、仙丈岳から広大な仙塩尾根を通って北側から塩見岳を登り大鹿村へ下山した後、タクシーで仙流荘まで戻るという長大な縦走ルートである
私自身、以前から仙丈からのこのルートに興味津津で熱く語っていた事も有り、今回S脇君がこれに答えてくれたのである
しかし実際に歩いてみると、その高低差と行程の長さに辟易となってしまった
ただ、北荒川岳を越えた辺りでいよいよ塩見岳が近くなる頃、その美しく雄大な景色はそれまでの苦労をいっぺんに忘れるほど素晴らしかったのである
<第1日目>
早朝に出発して圏央道から中央高速を一路伊那ICを目指した
伊那ICを降りてからは、高遠城址前を通りR152で仙流荘まで約40分程度で到着した
広大な駐車場はまだ十分余裕があり、出発準備を整えて午前10時過ぎのバスに乗った
登山バスは満席の登山客を乗せて唸りを上げながらも標高2030mの北沢峠まで約1時間で到着した
トイレを済ませて早速北沢峠を出発
森林限界を越えたあたりからは左側に北岳と間ノ岳が繋がって見えた
小仙丈岳へ到着
後方には甲斐駒ケ岳から鋸岳へと繋がる山脈が見える
仙丈ヶ岳と美しい大仙丈沢カールをバックに
仙丈ヶ岳と仙丈小屋の分岐辺りまで行くと霧が出始めていた
ちょっと疲れてはいたがそのままピークを踏んでから仙丈小屋へと向かった
途中登山道に出てきた雷鳥と遭遇した
仙丈小屋へ到着
我々は遅い到着だったが、それでも1F入り口正面の4畳半程の部屋を確保出来た
食事は外にある自炊小屋で済ませた
ここは目の前に水場があってとても便利だった
<第2日目>
今日は長丁場だから4時頃起床して食事を取った後、5時半にはスタートした
東の空から日が昇ると周囲が一斉に赤色に染まる
こちらは中央アルプスと右奥には御嶽山が見える
北岳と間ノ岳、それに富士山が加わってシルエットで見える
仙丈ヶ岳頂上へ到着
北側遠方に北アルプスがはっきり見えていた
大仙丈へと向かう
誰も居ない大仙丈ヶ岳に到着
息を飲む素晴らしい展望が広がっていて、暫く眺めていた
鳳凰三山のシルエット
荒らしい姿の甲駒
目指す三峰、塩見方面
これから伊那荒倉岳や独標、横川岳などのピークを越えながら徐々に標高を700m下げ、最後に三峰岳へ一気に700mを駆け上がって行く
我々にとって、この小ピークを幾つも越えたり延々と続く長い樹林帯の中を歩くのは予想以上に体力を消耗させられた
いや、体力だけでなく延々と何時までも続く繰り返しこそが精神的に萎える要因だった
三峰岳への最後の登り
ちょっと大げさだが、この登りは本当に最後の気力を振り絞って登った気がする
三峰岳へ登り返してみると、間ノ岳方面はガスに覆われようとしていた
三峰岳山頂、ここからは今夜の宿、熊ノ平小屋まで下るだけだ
小屋に到着したのは5時過ぎていた
流石に疲れて夕食を作って食べた後は直ぐに就寝した
<3日目>
翌朝の熊ノ平小屋、朝5時である
今日も長丁場なので早めに出発した
安倍荒倉岳へ登り始めると農鳥岳に日が当り始めるのが見えた
新蛇抜山付近の稜線
北荒川岳まで来ると遂にでっかい塩見岳が目前に迫って見えてきた
そうすると不思議と気分も明るくなって元気になる
北荒川岳を過ぎると元キャンプ場跡へと進んだ
この辺りはお花畑やダケカンバが林立する素晴らしい所だ
残念な事に今はキャンプ禁止区域となっている
昔ここでテント泊した人たちはさぞ気持ち良かっただろう
旧キャンプ場跡を抜けるといよいよ塩見への稜線へと向かう
もうすぐそこに見えるが、ここからの登りも険しく結構こたえた
険しい登りも終えて遂に塩見岳東稜に到着
道のりが長く険しかった分、嬉しさもひとしおだった
塩見岳から南東方向へ伸びる蝙蝠岳(こうもりだけ)方面
今度は西峰を目指す
塩見岳西峰山頂
ひとしきり山頂からの眺めを楽しんで最終宿泊地三伏峠小屋を目指した
まだ先は長いので急がねばならない
稜線の低木樹林帯を飛び回っていたホシガラス
三伏山、ここまで来ればあと一歩だ
頂上から約4時間、遂に三伏峠小屋に到着
遅くなったので離れの学生たちと同部屋となった
結構騒がしい部屋だったがそれでも二日間の長丁場で疲れていたから寝られる場所があれば問題ない
明日はもう下山するだけだ
長い行程の事や大仙丈カールの美しさ、北側から見た塩見岳の雄大な姿などを思い出しながら眠りに着いた
次の朝、携帯電話で地元のタクシーに連絡を取り、迎えに来てもらった
鳥倉ルートの登山口
予定より早めに到着すると既にタクシーは待っていてくれた
タクシーの運転手さんに地元の色々な話を聞かせて貰いながら車を置いてある仙流荘まで帰った
長く苦しい、でも素晴らしい仙塩ルートの縦走を成し遂げられた事が嬉しかった