両神山
2015年6月10日 両神山 単独
梅雨時の晴れ間を狙って40年ぶりに埼玉県の百名山として名高い両神山へ登ってきた
前回登った時、頂上付近が険しい岩場で緊張した事や霧の中で白装束に身を固めた修験者が大勢歩いていた事が印象として残っていて、この山は古くから信仰の山として崇められてきただけあって神秘的な雰囲気を持つ山だと思っていた
今回は現在のメインルートとなっている日向大谷にある両神山荘からの往復コースを辿ってみた
このコースは全体的に極普通の登山道だったし、天気が良かった事も有ってか昔の印象とはかなり異なった感じだったが、頂上から見えた御嶽山や先日登ったばかりの金峰山、浅間山と谷川連峰などの展望が素晴らしかった
又、二人の登山者と遭遇して色々な話をする事が出来た、特に毎年必ず登ってくるという地元の方からはコースの状況や花の情報を聞く事が出来て楽しかった
実はツツジや赤ヤシオを見たいと思って期待していたのだが、時期が合わなかった様でこの点は残念だった
圏央道が繫がったお陰で登山口まで2時間半程度で着く事が出来た
昔は前夜仕事を終えた後、はるばる小丸峠を越えて登山口まで来て前泊した事を思うと隔世の感がある
両神山荘が登山口となっている
7時過ぎ、ここで登山届を出して登り始めた
頂上まで5.6Kmと意外と近いが、標高差はおよそ1000mあるから侮ってはいけない
直ぐに鳥居が現れた、嫌が上でも神が祭られている山という事を感じさせられた
天気が良くて穏やかな山道に日差しが届いて気持ちが良い
暫くトラバース道を行くと、清流を渡った
地図によれば、これは薄川と呼ばれる清流で暫くはこの川を何度か渡渉しながら進むことになる
流れを2度渡った辺りから急坂に変わってきた
清流と共に歩いているのに、林の中は風が無くとても暑かった
あっという間に普段かかない程の汗が吹き出した
いい加減疲れてきた頃、弘法乃井戸という水場に着いた
細い湧水だったが、すごく美味しかった
ここで暫く小休止
山の恵みで少し元気になったところで先へ進む
清滝小屋に到着
とても立派な山小屋だが現在は営業休止中と書かれていた
まだ元気なので、直ぐに出発
15分程急登すると漸く尾根に出た、産体尾根と書かれている
尾根に出たのも束の間、登山道は更に険しくなった
30分程も汗をかいた頃、両神神社へ到着した
鳥居の前の両側には狼の石造が置かれていた、狼を神の使いとする考え方から来ているらしい
信仰の山らしい石仏も沢山祭られていた
両神神社を過ぎるとやっと平坦な道が現れて少し息をつけた
再び急登すると八峰からの延長ルートと合流した
これから先は初心者向きでないという注意事項が記載されていた
今までの路とは違うと言う事を意識して進んだ
確かに急な岩場が現れたので慎重に登った
しかしあっという間に頂上の剣が峰に到着した
恐らく反対側の八峰ルートは危険な岩場が連続するのだろうと思われる
頂上を標した標識
山頂から南側は雲が多く展望なし、南アルプスや富士山が見えるはずなのだが残念ながら見えず
雲の上に顔を出しているのは御嶽山
雲に隠れているのは浅間山、右遠方には谷川連峰が見えた
尖っているのは先日登ったばかりの金峰山だろう
梅雨の季節の為か、全般的に霞んでいて写真写りは今一だが肉眼ではそこそこの展望だった
頂上には遥々九州から登りに来たと言う女性と地元で年に1度は来るという男性の二人に出会い、長々と山の話に花が咲いた
私がツツジを期待していたと言うと毎年頂上付近に咲く赤ヤシオは5月だと言う事や5月初め頃には清滝小屋付近はニリンソウの群落が見られてたいそう綺麗だと言う事などを教えて貰った
まだ昼には少し早かったが持参したお握りを食べながら、山の話は尽きない
暫くして新たな登山者が現れて挨拶を交わしたのを機会にそれぞれ下山を開始
登った時にあった弘法乃井戸で、あの美味しい水をありったけの水筒に詰めてから降りた
2時間ほどで無事下山する事が出来た
殆ど花に出会えなかった事を除けばのんびりした良い登山だった
帰りには登山口から10Km程下った小鹿野町にある両神温泉薬師の湯で汗を流し、併設されている農産物直売所でキノコと蕗味噌を購入して帰った
帰宅後、弘法乃井戸水を使ってコーヒーを入れたところ、円やかで優しい味がした事を記しておく