新緑の西丹沢を楽しむ
2016年4月29-30日 新緑の西丹沢を楽しむ
この連休に山仲間と新緑の西丹沢を満喫しに出かけてきた。
もうすぐ5月とはいえ三つ葉つつじと山桜が沢山咲いていて新緑の緑の中に華やかな赤やピンクの花が散りばめられた景色に何だかとても癒された。
今回も丹沢のマイナールートに精通するS脇君が計画してくれた新緑の西丹沢の山行である。
西丹沢自然教室へ車を止めて、犬越路から大室山経由で道志村へ下り民宿に宿泊し、翌日横浜市野外活動センター跡から入山して旧登山道を登って畦が丸を経て自然教室へ戻る計画だ。
普通なら日帰りのコースだが、今回は古い地図に載っている様なマイナーなルートを楽しみつつ、のんびり道志に宿泊もしたのでGWとは思えないほど静かな丹沢を満喫出来た。たまにはこんな山歩きも楽しいものだ。
(但し今回歩いたルートの一部は一般的ではない為、歩かれる場合には自己責任でお願いします)
朝から晴天の中、今日は民宿泊の為、比較的遅い出発となった。
8時半頃、西丹沢自然教室に到着
丁度朝一のバスが到着すると多くの登山客で一杯になっていた。
支度を整え林道を歩くと新緑の中にところどころ山桜のピンクが混じっていて美しかった。
つつじ新道への分岐を過ぎて、用木沢出会を沢沿いに右折して犬越路へと向かった。
沢は新緑を映したかの様に緑色に染まっていて夏なら沢登りしたくなる様な美しさだ。
一転して西丹沢らしい道になると落ち葉と新緑のコントラストがいい雰囲気だった。
時折薄紫のタチツボスミレに混じって白いスミレが目についた、珍しいので写真に撮った。
ひと汗かいた頃犬越路に到着した。小休止のつもりが天気も良く景色を見たりしてかなりのんびりしてしまった。
まだ新しい犬越路避難小屋、トイレはバイオトイレで綺麗なので助かる。
大室山へ向かう途中で富士山が見え始めた。
富士山の左下に尖って見えるのは明日行く予定の畦ヶ丸、画面右の大きな山稜は御正体山だろう。
左奥に見えるのは袖平山だろうか、右手前が熊笹の峰、右奥が檜洞丸である。
大室山の頂上は見晴らしが良くないので、西の肩のベンチで昼食にした。
既に13時を回っていたが加入道山方面から登ってきた賑やかな女性グループも隣のベンチで昼食をとっている。
ほとんど踏み跡は消えていたが、私が持っている古い山と高原地図にはこのルートが載っている。
地図にコンパス、時折現れる昔の登山道を現す痕跡をたどって歩く。
途中、地図に書かれた雨乞石が現れた。登ってみると地図に書かれた通り眺めが良かった。
更に下ると荒れた沢道になり眼下に集落が見え始めた。もうすぐ道志村に下れそうだった。
ある民家の前を通った時に窓が開いて住人のおばさんが顔を出したので挨拶すると、後ろの山が大室山であることや目指す大室指のバス停の場所などを教えてくれた。
最後にさよならと言うと、「良かったらまた来てよ」なんて言ってくれるので何だか嬉しくなってしまった。
バス停で電話をするとすぐに民宿のおじさんが迎えに来てくれた。
宿泊した民宿「大屋」さんは大きな民家という風情だが落ち着いた良い民宿だった。
翌朝、道志の森まで車で送ってもらい林道を歩いて室久保川上流にある今は閉鎖された横浜市野外活動センター跡へ向かった。
途中にあった的様の滝。由来が書かれた看板によれば、昔頼朝公が富士の巻狩りの折、標的を作って武道練成の為に矢を射ったと伝えられているそうだ。
これが川床に見えた標的だが、作ったようには見えないから自然の模様を的にしたのではないだろうか。
横浜市野外活動センター跡からこちらも古い登山道を辿って城ヶ尾山とモノクボ沢の頭を結ぶ稜線の途中を目指して登り始めた。
程なく畦ヶ丸に到着、ここは多くの人が休んでいたので直ぐに権現山へのマイナールートへと進んだ。
何度か登り下りを繰り返すうちに権現山への一般道へと合流した。
程なく畦ヶ丸へ続く登山道へ降り立つと西沢出会いまで1.3Kmの地点へ出た。
橋の上からはキャンプ場が見渡せる。何時ものGWには満杯なのに今年はテントが少なかった。
日帰り可能なコースだが静かな道志村での宿泊は道程のゆとりを生んで全体的にゆったりとした山歩きとなった。
また旧道やマイナールートでは昔の道の痕跡を踏みながら昔の事を忍んだり、静かな自然林を楽しむ事が出来た。
こんな山の楽しみを計画してくれたS脇君に感謝したい。そしてまた来年も計画をお願いしたいと思う。
<今回歩いたルート>
左:西丹沢自然教室(下)から道志村(上)へのルート
右:横浜市野外活動センター跡(上)から畦ヶ丸、権現山への途中までのルート(GPS電池切れの為)
<行きの標高データ>