2018年6月25-26日 苗場山&高妻山(高妻山編)

漸く9合目付近までたどり着いた時、今まで雲に覆われていた山頂が顔を出してくれた。

苗場山から下山するとその足で飯山線と並行して伸びるR117を通って黒姫山方面へと向かった。

今回は黒姫山の麓にあるペンションを予約してあった。本当は戸隠高原辺りに宿泊したかったのだが生憎混んでいたり良い宿が見つからずこちらになったのだが野尻湖付近まで来ると見え始めた黒姫山の姿が美しくすっかり魅せられてしまった。何時かこの山にも登って見たいと思うのだった。

一方今回のターゲットである高妻山は、登って見ると思った以上に奥深く大変登り甲斐がある山だった。またこの日は雲が多くその全容を見る事が出来なかったのは残念だったが、登山道に咲く高山植物の多さは苗場山以上と言っても良く、良い意味で期待を大きく裏切られた。

そして山頂で一人の登山者と出会った時のこと、この人がが言うにはこの季節、運が良ければ下山路の途中に貴重な植物が咲いているはず、これを探すのが今回の大きな目的だとの事。結局、一緒に下山しながら探すことになった。この方は登山歴は浅いものの独学で得た高山植物に関する知識が非常に豊富で、道中沢山の花の名前や特徴などを教えてくれたので単調な下山路も楽しく過ごす事ができた。

また下山途中出会った地元の若いトレールランナーの人からは、この山域へ来たなら是非寄って行くべき場所があると教えられ、それなら立ち寄ってみたいと言うと案内してくれると言う。お言葉に甘えて案内してもらうと、その人が言う通り本当に訪ねる価値のある場所であった。

人が少ない平日の登山道での偶然の出会い、そして想像しなかった花々との遭遇、こんな経験が私をまた新たな山歩きへと誘うのである。

ところでその貴重な植物とは、またその花を見つける事は出来たのか、訪ねる価値のある場所とは、何だったのだろうか。。

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翌朝、ペンションから高妻山の登山口がある戸隠牧場には約1時間程で到着した。

牧場と隣接した戸隠キャンプ場入口付近にある駐車場に車を止めると早速牧場の中へと進んだ。

牧場からは背後に聳える戸隠山の険しい山並みが見えた。

牧場の中に登山口がありその先へと進む。

牧場を突っ切ると最初に一不動ルートへの入り口があったが、ここは帰りに通過する事にしてさらに奥へと進む。

更に奥に行くと弥勒尾根への入口があった。

今回は弥勒尾根を登り、帰りは一不動避難小屋を経由する周回ルートである。

入口を入ると美しい自然林に朝日が差し込んで気持ちがいい登山道が続く。

ギンリョウソウが一株咲いていた。

ブナ仙人と命名された立派なブナが立っていた。

美しいブナの林が続き、癒される登山道。空気も澄んでいて登りでも呼吸が楽に思える。

かなり険しい登りが続く。綺麗なサラサドウダンが咲いていてホットさせられた。

東側には堂々とした山容の黒姫山が見えた。

今度はキバナシャクナゲが咲いている。

更に登るとサラサドウダンが沢山咲いていた。この辺りからは沢山の花が出迎えてくれた。

六弥勒と書かれた地点へ到着。帰りの一不動方面への分岐点となっている。

ここで漸く高妻山らしき山の姿が見えてきたが山頂付近は雲に覆われて見えなかった。

峠を越えると南西の方角には登山口から見えた戸隠山の裏側が見える。

反対側にはさっきまで雲が覆っていた黒姫山の全容が見えてきた。

暫く北へ進んで振り返ると、越えてきた五地蔵山が見える。

この辺りではイワカガミが群生して咲いていて、時折見られるツバメオモトの白い花が綺麗だった。

八観音に到着すると小さな石碑が立っていた。何やら文字が書かれていたが古くて読めない。

雲に覆われていた高妻山の山頂らしきピークが漸く見え始めた。

右側奥の方に薄っすらと見える山は妙高、火打山だろうか。

この辺りで大好きなシラネアオイの花を見つけた。この薄紫の貴重な花はいつ見ても心が和むものだ。

更に進むと九勢至に着く。ここから最後の急登となった。

急登をこなすと十阿弥陀、即ち山頂と思われる場所へ到達した。

しかし実際の高妻山の山頂はこのガレ場を進んだ先にあった。

岩の隙間に咲くミヤマダイコンソウ。

高妻山の山頂に到着。

山頂から先程通過した十阿弥陀が見える。

高妻山は周囲に2000m級の山々に囲まれていて周辺の里からは見えにくい位置にある事が良く分かる。

険しい戸隠山の更に奥にある深い山だからこそ信仰の対象となったのかも知れない。

北西側に白い頂が見える山は白馬連峰だろうか。今日は雲が多く展望が悪くて残念だった。

南側の大きな山は恐らく飯縄山。その先に薄く見えるのは四阿山か根子岳あたりだろうか。

山頂から見ると戸隠山も先程より低く見えた。

この後山頂に着いた私より少し若いと思われる単独行の人と出会った。

ご飯を食べながら登ってきたルートや途中で見た花々の話などをしながら暫く談笑していると、下山途中に”キバナアツモリソウ”という貴重な花と出会えるかもしれないと言う。この為この時期を選んで登りに来たらしい。

アツモリソウと言えば昨年見たレブンアツモリソウしか知らないが、名前からして黄色いアツモリソウだろう。

まあ運が良ければ見られるかも知れないと思いながら、最初は別々に下山を開始した。

鮮やかな色をしたニッコウキスゲが咲いている。

良い色のベニサラサドウダンは何度見ても美しい花だ。

振り返ると山頂はすっかり雲が取れていた。

七薬師まで戻った頃、先程の単独行の人と再び一緒になった。

周辺に咲く花の名前を教えて貰っている内にキバナアツモリソウを一緒に探すことになった。

六弥勒から分岐を一不動方面へと曲がった。

綺麗なグンナイフウロが咲いていた。

山の斜面などを注意深く見ながら下山する。

なかなか見つからなかったが、思わぬ場所でこの貴重な花に出会えた。

これがキバナアツモリソウ。

形も色もレブンアツモリソウとはかなり異なるしとても小さい花だった。周辺で何株かまとまって咲いているのを見つける事ができた。

単独行の方は目的の花に出会えた事で大変大喜びだった。そして高山植物に対する情熱は凄まじく、勉強家であった。

道すがら似た花の区別するポイントや見方を教えて貰い、大変勉強になった。私も興味がある事に対しては、負けずに情熱を持って当たる事にしたいと心から思ったのだった。

登山道周辺には沢山の花が咲いていて飽きない。

五地蔵山。

タカネイブキボウフウ。

こちらの斜面にはニッコウキスゲの群落。その周囲にはこんな花々が咲いていた。

一不動小屋から戸隠牧場方面へ向かう。

クワガタソウ。

これはサイハイランというランの一種。

ノビネチドリ。

沢山の花々を見ながら歩いている内にあっという間に登山口に着いてしまった。

先程通過した登山口。

この辺りで上からかなりのスピードで追いついてくる若者と出会った。

この人は地元の方で、トレーニングを兼ねて何度も走っているらしい。一緒に話をしながら歩いていると、戸隠神社へは行ったかと聞かれた。

勿論行ってないと言うと、ここまで来て行かない手はない、是非立寄って欲しいと言うのである。そして行くなら案内したいとも。

結局案内をお願いして着いた戸隠神社。

この戸隠神社は奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の五社からなっていて大変広く、何と創建して二千年程も経つ大変歴史ある神社だと説明してくれた。

杉並木の途中にあった古く美しい赤い門が印象的だった。

この素晴らしい杉並木の奥に九頭龍の大神が祀られているそうである。

今回はこの先まで行く時間は無かったが、その先へ進むと戸隠山への登山口にもなっていて、その山の様子を聞く内に何時か必ず再訪して登って見たいと思った。

この山は修験者の山として開かれて大変険しく怖い登山道だそうである。

今回の登山を通じて黒姫山と戸隠山へは是非登って見たくなった。

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<今回のルートと所要時間>

戸隠牧場登山口(7:30)→弥勒尾根入口(7:45)→六弥勒(9:40)→高妻山(11:18-12:05)→六弥勒(13:00)→一不動避難小屋(14:25)→戸隠牧場登山口(15:40)

<登山ルート>

<標高データ>