天城山 ブナとヒメシャラの森を歩く

2011年2月11-12日 天城山 ブナとヒメシャラの森を歩く 同行者:N橋さん、S脇君

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素晴らしい天城のブナの木

S脇君から伊豆の天城登山の後、雲見温泉に泊まって河津桜を見るというちょっと魅力的なお誘いが来た
人の少ない冬の天城にも登ってみたかったし、雲見温泉と言えば昨年登った西伊豆の高通山から眼下に見えた千貫門岩のある海辺の温泉である。久しぶりに西伊豆の新鮮な刺身が食べられるのを期待して即参加を表明したのだった

11日朝6時にS脇号で平塚を出発する頃には既に雪が舞っていた。3連休とはいえ流石に道路は空いており、国道1号線から西湘バイパスを通って順調に伊豆半島東海岸を熱海方面に向かった
熱海から修善寺に抜けて南下する頃にはドンヨリした雲に覆われて、時々小雨が降っていたが、私はいっそうの事雪に変わって欲しいと思っていた
冬の雨の中を登るのは気が進まないが雪なら綺麗だし、寧ろ楽しい
車が下田街道を進んで行き、いよいよ天城峠に向かって登り始めると期待が的中して霙になった

9時前に新旧下田街道の分岐点にある駐車場に到着した頃には完全に雪になっており、交通量の少ない旧道には薄らと雪が積もっていた
幸い風は無く、我々は駐車場に車を止めて仕度を済ませると天城峠の登山口に向かって車道を歩き始めた
暫くすると天城峠のバス停があり、その脇から登山道に入る
暫く急登すると旧天城隧道の入り口に出た。ここが天城山への登山口だった

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旧天城隧道
旧天城隧道は伊豆の天城湯ヶ島町と賀茂郡河津町をつなぐトンネルで明治時代に造られたそうだが、それまで天城峠で隔絶されていた南伊豆への通行が容易になり、多くの人が行き交う事が出来る様になったと言われている。川端康成の「伊豆の踊り子」に出てくる事でも有名なトンネルだが、多くの歌や小説の舞台となった天城峠を雪の降る日に歩く事になった

出発はほぼ9時ジャスト、S脇君の計画では天城峠を越えて八丁池から縦走路を歩き、途中から往路を引き返す事になっていたが、今日の天候を考慮して上り御幸歩道経由八丁池まで登り、八丁池で昼食を食べて下り御幸歩道を下る事になった。八丁池までは約1時間半程度で到着する予定だ

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トンネルの脇の登山道を登り始める
約30分ほどで天城峠に到着、左折して八丁池に向かった
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この山ではヒメシャラ(姫沙羅)の木が目立つ
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鮮やかな色をした姫沙羅の木の模様
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関東では中々見られない素晴らしいブナと姫沙羅の林だ
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こんな木も
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もくもくと雪道を歩くN橋さん
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八丁池に近づくとアセビ(馬酔木)の木のトンネルが現れた
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展望台から八丁池が見える
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八丁池の畔を行くS脇君

途中、崩落による通行止めが2箇所あり、尾根沿いに作られた大きな迂回路を通ったので約3時間もかかってしまった
この通行止めは簡単に解消しないと思われるので今後地図の時間表記と異なる事に注意が必要だ

真っ白な八丁池に着くと、早速私とS脇君は池の上を歩いて見る
池は雪に覆われており、その下は見えないが恐らく完全に凍っていると思う
私は自分の前をストックで突きながら池の中心に向かって進んでいた、、
すると、突然変な音が聞こえた、、、「ミシ・・ミシミシ」
やばい~ 二人はゆっくり振り返ると抜き足、差し足で岸に戻った

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N橋さんは岸から写真を撮りながら
「馬鹿だなぁ、危ないに決まってるじゃん」
「君たち、子供じゃないんだからさぁ」・・・とも言ってた
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昼食はお握りとカップラーメン
食後は何時もご馳走になるS脇君の特製本格コーヒーを飲んだ
こんな雪の日に飲むエス・コーヒー(本日命名・・もっと良い名前も募集中)は最高!
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八丁池

八丁池は天城山の噴火口に出来た池で周囲が八丁(約870m)あった事から命名されたそうで
モリアオガエルの生息地とも言われている

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帰りは下りのみだから気が楽だ

一気に下り、約1時間半で水生地下の駐車場に到着した
駐車場に着くと案の定、車や道路には15cm程の雪が積もっている
それから約30分、S脇君が持ってきた新品のタイヤチェーンを3人で四苦八苦しながら取り付けた
車はチェーンでカタガタしながら峠を越えて南側に下ると直ぐに雪は無くなる・・・・(汗)
雪中でのトータル約4時間半の行動とチェーン騒動で結構疲れた。。
口々に、早く温泉に浸かりた~い、早くお刺身を食べた~い、を連発した

雲見温泉に向かう途中、突然S脇君がちょっと寄っていこうと言う
立ち寄ったのは、川端康成が泊まったと言われる宿、福田家だ
小説「伊豆の踊り子」を書くきっかけとなった宿なのだろうか

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福田家
橋を渡った向こう岸に建っており、古く懐かしい風情の日本家屋の宿である
宿の手前には温泉、足湯があり「バシャバシャ」という感じで源泉が流れ出ていて手を入れると、とても熱かった
川端康成が泊まった頃はさぞ静かなところだったろう、踊り子が橋を渡る姿が偲ばれる
我々は遠い昔の天城に思いを馳せながら雲見に向かった
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民宿「高見家」は雲見の村落の半ばにあって、既に何人かの客が到着している様だった
早速 温泉に入ると少しショッパイかけ流しの温泉で、温もりが体の隅々まで染み渡った
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夕食は期待通り、新鮮なお刺身やサザエの壺焼き、天ぷら、海鮮鍋などなど
その中でも特に絶品だったのは、宿の主が今朝釣ってきたというメジナの刺身!
久しぶりの磯の味に舌鼓を打ち、そして酒を飲んで夜遅くまで今日の山の話などをした

次の日、
小雨の中民宿から一山越えて雲見千貫門を見に行った。

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千貫門
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正面からみると正に”門”である
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何時来ても青い海と複雑な形の奇岩が美しい海岸だ、海は凪で沖の小島には釣り人がいる
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宿の裏に咲いていた河津桜
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色が濃くて可愛い桜だ

帰る前に加茂郡の青野に河津桜を見行ったのだが、、
青野に行ってみると残念な事に、まだほとんど開花していなかった
今週の寒波で開花が遅れたのだろう、今月下旬のころが見頃だと思う。。

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松崎の蕎麦屋さんで食べたアオリイカの天ぷら蕎麦

今回は素晴らしい天城山のブナとヒメシャラの森を発見した山行だった。
南伊豆では河津桜は残念だったが、取れたてのメジナの刺身が絶品だったし、仲間と入る温泉も格別だった
伊豆を思いっきり堪能した贅沢な小旅行を企画してくれたS脇君に感謝したい

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