奥丹沢のマイナールートを楽しむ 袖平山(北西尾根ルート)

2015年12月26日 奥丹沢のマイナールートを楽しむ 袖平山(北西尾根ルート)

奥丹沢 風巻ノ頭から袖平山へ向かう尾根にて

奥丹沢 風巻ノ頭から袖平山へ向かう尾根にて

奥丹沢の袖平山へ登ってきた。
袖平山は姫次から15分程で頂上へ至る比較的登りやすい山だが、蛭ヶ岳や臼ヶ岳、檜洞丸などの丹沢主稜の峰々のすぐ北側中央に位置しておりこれらの山々を見るには特等席の山だ。

この週末、山友達のS脇君から久しぶりに丹沢のマイナールートを辿って袖平山へ登ってみませんかとお誘いが来たのである。
天気が良ければ富士山を始め南アルプスや秩父連峰などの展望も良く、何といってもメインルートから外れていて人が少なく静かな山が堪能出来る事からS脇君は再三訪れているお気に入りの山だそうだ。
私は初めて登ったのだが、頂上へ着いてみるとその明るく静かな雰囲気と自然林の素晴らしさ、展望の良さはなかなかのものだった。

今回は神ノ川鱒釣場付近の杜宮司橋から入山し、標高722mのピークを起点として風巻の頭や袖平山などを経由して反時計回りに周回するコースを歩いた。
風巻の頭から袖平山までの約2Km強のみ東海自然歩道だが、それ以外は未整備のマイナールートである。
このルートは登り返しを含めると標高差1200m以上の登りとなる上、かなり傾斜がきつく厳しかった。
また袖平山からの下山ルートではコンパスを使っていたにも関わらず途中で隣の枝尾根へ入り込んでしまうというアクシデントもあり、ルートファインディングには注意を要するコースといえる。しかも隣の本来の尾根へ戻る際、谷越えのトラバースという危険な行為を行ってしまった事は大きな反省点である。
しかしまあ全体を通してみれば、マイナールートの魅力満載の楽しい山行となった。地元の山、丹沢だからこそ味わえる一つの楽しみ方かも知れない。

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初めて登るルートなので予め地図へ必要事項を記載したものとコンパスを準備し、一応GPSは携帯しておき後で実際の歩行ルートの検証が出来る様にしておいた。
<丹沢歩きでもっぱら利用している地図の紹介>
西丹沢登山詳細地図表紙_R
今回歩いたルートは一般の地図には記載がないが、守屋さんという人が出版しているこの「西丹沢登山詳細地図」には破線ルートとして記載されている。この地図は丹沢のマイナールートの詳細が非常に詳しく記載されていて我々にとっても特に役に立つ地図として利用させてもらっている。
但し、この地図による本ルートの起点はエビラ沢橋となっているが、S脇君が前回トライして沢沿いの歩きにくさから断念した経緯があり、今回は杜宮司橋を起点とした尾根に沿って標高722地点へと登るルートへと一部変更した。
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杜宮司橋には沢名と共に袖平山への道標があった。
ここからのルートはどの地図にも載っていないのに、誰かが立てた道標があるのだから少なからず登る人が居るという事だろう。

だとすると将来一般ルートになるかも知れない道という事か。

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植林地帯を登り始めるといきなり急登となる。S脇君が大好きな雰囲気の道である。

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暫くすると低い雲に覆われて周囲が白くなってきた。

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ふくらはぎが思いっきり伸ばされる様な急登が一段落すると細い尾根が続いた。
たっぷり汗をかいた頃、周回の起点となる標高722m地点へ到着、暫く休憩後右へ下ってエビラ沢へと約200m降下する。

地図上では標高722m地点から袖平山側に50m程下ったところのコルから右へ曲がってエビラ沢へ下るルートが記載されていたが、我々は間違えてピークから直接右へ折れてエビラ沢へと向かってしまった。途中その事に気付いたが尾根がはっきりしていて問題なく沢へ下れると判断してそのまま下っていった。結果正しくエビラ沢へと下り、風巻の頭北尾根へと登り返す事ができた。

この様な間違えと状況判断による行動はよくあるものだが、広いピークから下る際にはきちんとコンパスを使って方角確認をすべきだった。

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向こう側に帰りに歩くはずの尾根が見え隠れする。

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エビラ沢へ到着、暫く遡上後に対岸へと渡渉して向かい側の尾根へとりつく。

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風巻の頭北尾根へ上がると向こう側に先ほどいた標高722mの尖ったピークが見えた。

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だんだんと晴れ間が出てきて道志の山々がきれいに見え始めた。

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風巻の頭への急登が続く、累積で約800mのこの登りではかなり体力を消耗させられた。

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漸く風巻の頭へ到着、ここから袖平山へは一般道歩きとなった。

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袖平山へは距離2.2km、標高差約400mある、一般道だが急登の後だけにけっこう長く感じられる。

奥丹沢 風巻ノ頭から袖平山へ向かう尾根にて
正面に袖平山が見えるころ落ち葉に覆われたのんびりした道を進む。

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袖平山の直下にある休憩所でお昼を食べた。ここは日が当たって暖かく展望も良い。

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S脇君は持参したカレーうどんを作って食す。これは体が温まるし美味しそうだ。
この後、何時もの様にドリップコーヒーを頂いた。
冬の季節、こんな暖かな山上で飲むコーヒーは最高である。

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袖平山の山頂

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山頂には枝だけになった木が林立していて細かい枝が青い空に映えていた。

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すぐ東側に聳える丹沢最高峰の蛭ヶ岳には雲がびっしり着いていたが、上部は霧氷で真っ白だった。

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時折日差しが差すと光って幻想的な雰囲気を醸し出す。厳しい冬の丹沢の表情に暫く見とれていた。

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昼食に一時間ほど休憩して下山を開始する。下山ルートの方角をコンパスで確認して出発した。

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下り始めると午前中に登ってきた尾根が眼下に見えた。

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正面にはどっしりとした大室山、左側には雲に隠れた富士山のすそ野が少しだけ見える。

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北西側には道志山塊とその奥には大菩薩、秩父連峰などが見えた。

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西側遠方には白くなった南アルプス北部の山々が遠望された。

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北側には雲取山方面の山が見える。

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暫く急な坂を下ると広い落ち葉の尾根へと進んだ。こんな自然林の中、落ち葉の道をのんびり歩くと気持ちがいい。
しかし、広い尾根には迷いやすいという危険が潜んでいた。
コンパスで方角を確認しながら下っていたにも関わらず、暫くすると尾根の方角がコンパスの示す方角とズレてきていたのだ。
尾根が左に曲がるポイントを見逃して100m程北側の尾根を下ってしまっていたようだ。

気が付いて直ぐに登り返し始めたのだが、すぐ横の尾根に乗り換えるだけだと思いそのまま南へトラバースを始めてしまった。これが大きな間違えだった。
すぐ横の尾根といっても、間には急な谷が何筋かありこれらを横切る結果となったのである。道を外した気持ちの乱れがある中で危険なトラバースをする事はとても危険な行為だった。

ここでは何とかリカバリ出来たものの更に条件が厳しい場所だったら事故を起こしかねない。こんな時は、やはり基本に忠実に尾根の分岐点まで登り返すべきだろう。

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標高722m地点から袖平山側を振り返る。

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急な下山路を下ると今朝出発した杜宮司橋が眼下に見え始めた。

わずかな踏み跡と地図とコンパスが必要なマイナールート歩きは、静かな山歩きとルートファインディングの面白さを味わえてとても楽しく、コンパスや地図読みの訓練としても役立つ。
雪山でのスキーやスノーシューのトレーニングとしても有効であり、これからも丹沢のマイナールート歩きを続けたいと思った。

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袖平山(北西尾根ルート)

袖平山(北西尾根)Root&Data

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