檜洞丸(北尾根ルート)
2016年5月28日 檜洞丸(北尾根ルート)
3年ぶりにS脇君、N橋さんと一緒に檜洞丸の北尾根を登ってきた。
今年のシロヤシオは開花が早かったらしく大方散ってしまっていたが、代わってトウゴク三つ葉ツツジは正に満開で北尾根や犬越路への下山路のそこ彼処に鮮やかな姿を見せてくれており、お陰で終始楽しい散策が出来た。
前回の山行記事には、将来のシロヤシオの当たり年は2016年か2017年と予測と書かれており、今回この事を自ら検証できなかった事は少し残念ではあったものの、新緑のブナ林の中に白や赤の花が散りばめられた山の景観は素晴らしく、久しぶりに訪れたこの山を再び堪能する事が出来て嬉しかった。
*2013年5月の檜洞丸北尾根ルートの山行記事はここにあります。
広河原までの林道を約50分程も歩き、右手の彦右衛門谷の突堤に沿ってつけられた踏み後を辿るとやがて左岸の尾根を大きくトラバースする道へと変化した。
急峻な尾根を九十九折に進むと大きな尾根の上部にあるブナ林が待っていた。
新緑と落ち葉の素晴らしい山道の中、誰一人歩いていない静かな散策が続く。
黙々と歩くN橋さんは最近腰痛から解放されたせいかとても元気だ。
こちらは余裕のS脇君、私同様このブナ林の尾根道がお気に入りの様子である。
標高1400m辺りだろうか、トウゴク三つ葉ツツジが咲いていた。
向こうに見えるピークはここよりかなり高いので蛭ヶ岳の様だが、形が尖りすぎている気がして腑に落ちなかった。
更に進むと漸くシロヤシオも現れたが、地面には沢山の花が落ちていた。
久しぶりのシロヤシオを近くで見る。可憐な白花と葉っぱの周辺の茶色の縁取りが印象的な美しい花だ。
かなり散ってはいるものの、今回も白と赤の花の共演が見られて嬉しい。
落ちた花の道を歩くのは少し寂しい。来るのがあと1週間早ければ良かった。
標高1500mを過ぎる頃、バイケイ草に埋め尽くされた道になった。緑とツツジの赤とのコントラストが綺麗だ。
誰もいない尾根で思いっきり写真を撮りまくる。
静かな新緑のブナ林と上部の花園がこの北尾根の最大の魅力だろう。
バイケイ草の海の中で赤い花の道を辿る。急な坂も一向に気にならない楽しい散策が続く。
すぐ北側には白い雲の合間に熊笹の峰と大室山が重なって見えた。
流石に山頂には多くの登山客が訪れていて座るスペースを探すのも難しい程だ。
山頂は混雑しているしお昼にはまだ少し早いから、早々に下山し始める。
犬越路への尾根に入るとすぐ開けて展望の利く場所に出た。ベンチに腰掛けて富士の写真を撮るS脇君。
ツツジと富士山、すぐ下には沢が光って見えた。東沢の上流の本棚沢あたりだろうか。
この下山ルートは右側にずっと富士山が見えるのが良いところだ。
何度かアップダウンを繰り返す内にヤタ尾根という神乃川方面への下山ルートへの分岐に着いた。
分岐にあるベンチで昼食タイム。それぞれ思い思いの食べ物を食す。
毎回変わらないのが、S脇君が食後必ず入れてくれるSコーヒーだ。以前私が命名したこのSコーヒーは茅ヶ崎の湘南コーヒーで購入している粉でいれていて最高に美味しいのである。
約1時間ほども、ゆっくり食事とコーヒーを楽しんでから犬越路方面へと歩き始めた。
歩き始めると、何と登山道に動物が歩いているのを発見。
人懐っこいというか人を恐れないこの動物、後でN橋さんが検索したところアナグマだそうである。
犬越路への尾根道を更に進み、あと0.5Kmのあたりまで来ると昔使われていた旧道の分岐にでる。
古い落下した標識には「犬越路トンネル」と書かれている。
右へ曲がると神乃川ヒュッテへと繋がる旧林道へ降りる旧道がある事を示していた。
この道は15年程前の「山と高原地図」には点線ルートとして存在していたが、現在は表記がない。
トンネル付近の林道へと降り立ったあと右へ進み、この網の向こう側から再び下り始める。
このまま尾根を下ると、やがて神乃川ヒュッテの建物の裏手に出た。
ほぼ予定通りに神乃川ヒュッテに到着。
シロヤシオが終わりかかっていたのは残念だったが、穏やかで爽やかな春の風を感じながら満開の三つ葉ツツジや富士山などの展望も楽しめ、大満足の山行だった。
<今回のルートと標高データ>
追記 :
今回私がこの山深い場所で確かめたかった事が一つあった。それはハンディのアマチュア無線機で下界の無線局と交信可能かどうかである。
現在のアマチュア無線では、近隣のノードと言われるインターネットと合体した無線局と接続出来れば小出力のハンディ機でも遠方の無線局と話が出来るシステムが出来ている。もし容易に接続できるなら緊急の場合を含め、携帯電話が通じない場所でも容易に連絡が可能となる。
今回、丹沢山塊の北側の山域から神奈川県南部の平野部との交信が可能かどうかを確認したかった。今回は檜洞丸の北側のヤタ尾根分岐点で確認したところ、平塚のノード局と簡単に接続可能だと分かった。今後、山岳地帯での無線機の応用の可能性についてもう少し調査してみたいと思う。