黒部源流を巡る旅(第5話)雲の平→折立

2011年7月30日~8月3日 黒部源流を巡る旅(第5話)雲の平→折立

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本当に青かった薬師沢の清流と薬師沢小屋

【8/3(水)】  早朝小雨のち晴れ

雲ノ平キャンプ場(3:30)-雲ノ平山荘(4:00)-奥日本庭園(4:35)-アラスカ庭園(4:48)-薬師沢小屋(6:30,6:40)-太郎平小屋(8:50)-折立(10:45) 直行バス(12:30)=JR富山駅(14:30) 集中雷雨によりJR長岡経由、新潟新幹線で大宮に帰還

夜中の2時過ぎに起きると小雨が降っていた
簡単な朝食を済ませて雨具を着けると周りに迷惑を掛けない様に静かにテントを畳んだ
午後のバスに間に合様に下山すればいいのだが、地図では薬師沢への下降と太郎平への登りはかなり厳しそうに見えたので、外は真っ暗だったがヘッドランプを付けて3時半に出発する事にした
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光で白く輝く草
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日本庭園を過ぎたあたりか

暫くは木道だから真っ暗でも道に迷う事はないが、雨で木道が濡れていて滑りやすかったし、時間もたっぷりあるからことの外慎重に歩いた
日本庭園あたりは真っ暗で何も見えなかったが、アラスカ庭園の辺りに差し掛かると薄明るくなってきて有難いことに雨も止んだ様だ
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アラスカ庭園
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薬師岳が見え始めた

薬師岳が見え始めると大木や大岩がゴロゴロする急斜面の下降が待っていた。ちょっと滑れば怪我をしそうな急斜面を慎重に下った
そんな急斜面を1時間以上も下った頃、登ってくる何人かの人たちとすれ違った
皆さん、随分早い時間にすれ違った事に驚くので、いちいち早出してきた事を告げなければならない
かなり疲れた頃に漸く薬師沢小屋の対岸に出た
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吊橋を渡って薬師沢小屋へ
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薬師沢

黒部川へと流れ込む薬師沢は、青く澄んでいてとても美しい沢だった。吊橋を渡って小屋のベンチに腰掛けると、透明感のある美しい沢に暫く見惚れてしまった
ふと時間を見るとまだ6時半過ぎだった、予定よりかなり早いからひょっとすると11時のバスに間に合うかも知れないと思った
この先には危険な道はないし、9時までに太郎平小屋に着けば間に合う気がして先を急ぐことにした

何度か沢を渡る橋を越えると太郎平小屋から雲ノ平に向かう多くの人とすれ違った
かなり一生懸命登ったのに太郎平は中々見えてこない
息を弾ませて上り詰めると木道の先に漸く太郎平小屋の姿が見えた、この木道は2日目に出発したとき、若い山ガールが2人で朝日を待っていた場所だった
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薬師沢小屋から苦しい急登を経て出発点の太郎平小屋に戻った
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ここの道の両側にもお花畑が広がっていた
太郎平小屋まで来るれば後は下るだけだ
時間を見るとまだ9時前だし11時には何とか間に合いそうだったから小屋には寄らずに通り過ぎて下りに入った
折立からの多くの登山者とすれ違いながらピッチを上げ、時折同じ方向への下山者を追い抜く
何処かの山小屋で会った人を追い抜いた時にバスの時間があるのでと、お先に失礼させてもらった
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折立に向かって下ると、来た時には雨で見えなかった有峰湖が見えた
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折立へ到着

頑張った甲斐があって丁度11時前に折立に着いた、正面には富山駅行きのバスが止まっている
私は急いでバスの前にザックを置いたのだが、もう11時直前なのに客はおろか運転手も居ない
何か変だった

近くにバスの時刻表が貼ってあるのを見つけたので見てみると、何と11時発というのは違う季節のダイヤで、今の季節は12時半と3時だと判明した
何て馬鹿だったんだろう、12時半なら薬師沢小屋から普通に歩いても十分間に合ったのに

仕方が無いから折立の休憩所で体を拭いたり着替えたりして時間を潰した
後から降りて来た人にはバスには十分間に合ったんだねと言われて恥ずかしい思いをしてしまった
大半の人たちは自分の車で来ている様子だった
今回は待てば済む問題だったが、これが逆だったら折立でもう一泊テントなんてこともあり得るのだから気をつけなければならない
終わってみれば、ほぼ計画通りに黒部の源流を巡る道を歩き通す事が出来た喜びと、大きな達成感を感じながら12時半のバスに乗り込んだ

この5日間は電波も届かない場所に居たから、バスの中で5日ぶりに携帯メールを受信したら、メールの中に福島のTさんの訃報が含まれていた
明日が通夜で明後日が葬儀だったから何とか間に合わせる事が出来る、改めて今回出発を遅らせなかった事や計画通り戻れて良かったと思った
出発前にTさんに会えなかった事が悔やまれたが、心の中でTさんのご冥福を祈りながら帰途に着いた

第1話 大宮→太郎平小屋編へ
第2話 太郎平小屋→黒部五郎小舎編へ
第3話 黒部五郎小舎→高天原山荘編へ
第4話 高天原山荘→雲ノ平キャンプ場編へ

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